私たちにできること
耐熱性、耐摩耗性、耐食性や熱伝導率など多様な特性を活かした製品開発
「新しい素材で製品を作りたい」「環境にやさしい製品づくりに挑戦したい」 セラミックスは、原料や製造方法によってさまざまな特性を実現できるため、こういった課題に適した素材です。他の材料の部品をセラミックスで置き換えたい、放熱性を高めるために電子機器の基板をセラミックスで作る、など用途が幅広く、様々なフィールドで活用が期待されています。皆さまのご要望を実現できるよう、他分野とも連携して付加価値の高い製品の開発に取り組みます。
伝統産業と最新技術の融合による価値創造
「こんな色の釉薬を作りたい」「新商品を開発したい」 陶磁器を作る方々のこうした声を受け、技術支援をしています。約100年にわたって京焼・清水焼の研究を行ってきた京都市産業技術研究所には、約30万点にのぼる釉薬のテストピースが保管されています。焼き方や調合を少しずつ変えながら質感と発色を確かめてきた、貴重な資料です。また、環境にやさしい顔料の開発や、3D技術を活用した成形、レーザー照射によるデザイン加工など、伝統産業と最新技術を融合した価値創造にも挑戦しています。
さまざまなかたちで人材育成を支援
伝統産業技術後継者育成研修では、陶磁器に関するコースを設け、若い世代を中心に毎年多くの研修生を迎えています。他にも、現役作家を対象とした、作品製作に関する個別の技術相談も行っています。企業向けには、従業員の製造・分析技術の育成を行う制度もあります。陶磁器・セラミックスに関する製造工程や品質管理のお悩みを受けて、現場に伺うこともあります。
試験分析の例
陶磁器分野
陶磁器製品の商品取引証明を目的とした熱衝撃試験ならびに品質管理を目的とした蛍光X線回折分析による成分調査。また、新製品開発を目的とした合成無機化合物の結晶に関する生成確認や評価のためのX線回折測定。その他陶磁器製造に関する機器分析装置を使用した分析等を行っています。
ファインセラミックス分野
セラミックス・無機系材料では、X線回折、粒度分布測定、熱分析、電子顕微鏡観察等の研究開発のための性能評価を目的とする依頼試験を行っています。
主な取扱設備機器
陶磁器分野
- ポットミル
- ボールミル
- 石川式擂潰機
- X線回折装置
- 蛍光X線装置
- 粒度測定装置
- 熱分析装置
ファインセラミックス分野
- ボールミル
- ビーズミル
- X線回折装置
- 粒度分布測定装置
- 吸着性能評価装置
- 熱分析装置
- 放射率測定装置
最近の活用事例
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記事を読む
伝統×先進技術
透け感のある新しい陶磁器の開発株式会社 陶葊
業種:伝統産業
対応分野:陶磁器・ファインセラミックス -
記事を読む
3D-CAD/3Dプリンタ技術を活用した押型成形による漆塗り磁器の製作
suosikki
業種:伝統産業,窯業
対応分野:デザイン/塗装・漆工/陶磁器・ファインセラミックス -
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デジタルクリンナップ手法を用いた「陶器製カレーライス皿」製作
(有)晋六
業種:伝統産業,窯業
対応分野:デザイン/陶磁器・ファインセラミックス -
記事を読む
伝統産業ものづくりをデジタルで”三歩先”へ
(有)晋六、アトリエYOU、suosikki
業種:伝統産業
対応分野:デザイン/塗装・漆工/金属/陶磁器・ファインセラミックス
最近の研究成果
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ボールミル及びビーズミルを用いた低融点ガラス粉末(フリット)の微粉砕
対応分野:陶磁器・ファインセラミックス
筆者:稲田 博文、荒川 裕也、高石 大吾
2023年度発行 -
入手可能な原料を用いた金天目釉の作製と技術構築
対応分野:陶磁器・ファインセラミックス
筆者:鈴木 芳直
2023年度発行 -
酸化銅を添加した石灰釉に対するCO2レーザー照射時の変化について
対応分野:陶磁器・ファインセラミックス
筆者:鈴木 芳直、田口 肇、荒川 裕也、岡崎 友紀、木戸 雅史
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レーザー加工で作成したシリコン製型板による陶磁器への装飾模様の作成について デジタル技術応用による伝統産業に適したデザイン開発手法の研究開発と普及事業 第4報(その1)
対応分野:デザイン/陶磁器・ファインセラミックス
筆者:比嘉 明子、木戸 雅史、竹浪 祐介
主な研究シーズ
陶磁器分野
- 陶磁器釉薬の調製技術
長年研究開発し蓄積した約30万ピースの伝統釉や新種釉のテストピースのデータを活用し、これまでに陶磁器上絵具や楽焼に用いる耐酸性・耐アルカリ性無鉛フリットの開発や不安定な釉薬を製品化する技術開発を行っています。これらの技術シーズを用い、新たな製品を開発しています。 - 陶磁器製品への新たな加飾技術
レーザーを照射することで釉薬に色の変化をもたらす新たな技術について、デザイン分野と協力して取り組んでいます。この技術を活用することで、従来の陶磁器製品には見られない、新たな加飾技法としての有効性が期待できます。 - 3D技術を活用した新たな成形技術
陶磁器分野における3D技術の活用は、新商品の開発はもとより、開発時間の短縮や人材不足の解消、また新たな成形技術の創出など、今後益々期待される分野です。我々も業界からの要望により新商品開発等の取組を行っています。 - 持続可能なものづくりを支える基礎研究
陶磁器原料の枯渇化や品質の問題等について、分析機器を活用した原料分析等を通し、地域の陶磁器製造に対する持続可能な生産に繋げるためのデータ蓄積や技術構築を行っています。
ファインセラミックス分野
- 無機粉末の微粉砕・分散技術
ボールミル、ビーズミルによる各種無機粉末(セラミックス原料を含む)の微粉砕技術の確立及び微粉末の分散状態制御。レーザー回折式粒度分布測定、走査・透過電子顕微鏡、比表面積測定、ゼータ電位測定、レオメータ等による粉体及び粉体-水系分散液(スラリー)の基礎物性評価と製品性能との関連付け。 - セラミックスの粉末成形技術
各種粉末成形技術(プレス成形、押し出し成形、射出成形、鋳込み成形、シート成形等)を用いた製品開発。成形用有機バインダーの最適配合技術。CNFを活用したセラミックス成形技術の開発(特許6847413、特開2019-131427)脱脂、焼成技術。関連の評価技術。 - ガラスセラミックスの作製技術
ガラスを結晶化処理することにより各種特性に優れた高機能ガラスセラミックスを開発しています。要求される機械的・熱的・電気的特性等に応じた材料設計を行い、各種成形技術を用いて、電気・電子製品に使用される絶縁・耐熱部品や高周波回路用基板、環境材料等を、中小企業の現有設備を用いても低コストで製造できる技術を開発しています。