私たちにできること
染色加工に関する技術課題の解決
一口に染色といっても、浸染や捺染、引染め、手描き友禅からインクジェットまで様々な手法があります。また、和装分野では複数の工程を分業で行っており、トラブルがあった場合に現場で原因を探るのは困難です。我々は、これら工程の一つ一つを丁寧に分析し、原因究明を行うことで再発防止に繋げます。また、堅ろう度評価や染色加工の技術支援によりトラブルを回避するよう対応いたします。
繊維材料に関する研究開発
繊維製品は色彩に限らず様々な機能加工が可能です。消臭性能や機能評価など、オーダーメイドの分析を含め様々な分析方法の提案を行います。また、新規素材の染色加工や昨今流通している代替染料に関する性能調査、型紙の自動彫刻システムの開発など、染色にかかわる幅広い分野の課題を調査し、分析、研究開発を行います。
伝統産業後継者育成事業について
染色には様々な技法・技術がありますが、「染色」という現象を深く理解するには科学的な背景を理解する必要があります。また、分業体制では前後工程以外を把握する機会が少なく、染色をもっと体系的に学びたい、別の染色技法、技術について学びたいといった要望があります。産技研が実施する「染色基礎コース」は次世代の染色加工を担う技術者育成を目的とし、染色加工に関する基礎的知識と技術を習得していただく研修です。
試験分析の例
- 染色加工工程にかかわる試験(糊抜き、精練・漂白、減量加工、浸染、捺染、仕上加工等)
- 一般的な消費性能に関わる試験(染色堅ろう度試験、生地の寸法変化試験、撥水試験、はつ油試験等)
- 顕微鏡観察(光学顕微鏡、電子顕微鏡)
- 繊維関連各種分析(付着物・異物、含有ホルマリン、特定芳香族アミン、繊維加工剤等)
- 環境試験(繊維製品・繊維加工品の環境暴露試験)
主な取扱設備機器
浸染用試染機
- 染色試験機(横置12ポット)ポット回転タイプ
- オイルバス(染色試験用)
- 試験用液流染色機
捺染用試染機
- 常圧蒸熱試験機(蒸箱)
- 試験用高圧蒸熱機(HPスチーマー)
- 試験用高温蒸熱機(HTスチーマー)
- 試験用スクリーン捺染機
仕上整理用試験機
- パッダー
- ベーキング試験機(熱処理機)
- プレス試験機
- 恒温恒湿器
最近の活用事例
-
記事を読む
型彫り職人の後継者不足を
自動作成システムで補う三彩工房株式会社
業種:伝統産業
対応分野:デザイン/染色加工
最近の研究成果
-
市域内染色関連企業を対象とする調査研究
対応分野:染色加工
筆者:井内 俊文、緒方規矩也、籔内 快、向井 俊博、津村 幸夫
2023年度発行 -
絹のデジタル捺染における色再現向上の検討―反応染料染色における前処理が与える影響について―
対応分野:染色加工
筆者:向井 俊博
2023年度発行 -
染色加工技術を用いたセルロースナノファイバーの機能化(第2報)
対応分野:染色加工
筆者:井内 俊文、上坂 貴宏
-
型紙自動作製システムの実用性検討型友禅における型紙作製の自動化に関する研究(第4報)
対応分野:染色加工
筆者:籔内 快、上坂 貴宏、沖田 実嘉子、廣澤 覚
主な研究シーズ
染色加工技術を用いたセルロースナノファイバーの機能化
次世代材料として研究開発が進められているセルロースナノファイバー(CNF)について、従来の染色加工技術を応用した環境負荷の少ないCNFの機能化を目標に、検討を行っています。
消臭繊維の開発支援に向けた分析技術の開発
市内繊維企業の消臭製品開発を支援するため、強みである分析技術をいかし、繊維の消臭機能の評価方法や、喫煙所や介護現場などに存在する悪臭物質の分析方法についての研究を行っています。
型友禅における型紙自動作成システムの開発
近年、型友禅における型紙製造工程では職人の高齢化や後継者不足が問題になっており、予想される型紙の供給不足への対策が求められています。そこで、カッティングプロッターを用いた型紙自動作製システムの開発を行いました。現在は開発技術の普及活動を行っています。