理事長挨拶

京都が誇る伝統産業と先進産業の基盤を成す“ものづくり”技術の向上に飽くなき挑戦を続ける多様な京都地域企業を、科学と技術の両面から総合支援してきた京都市産業技術研究所(産技研)は、本年(2026年)10月に創設110周年を迎えます。この間、2014年4月に地方独立行政法人へ移行し、自立した公設試験研究機関(公設試)として新たな活動を開始してから、4年を単位として3期12年が経過しました。各期4年間を区切りとして、京都市長から京都地域産業の発展を促進するために設定された「中期目標」の指示を受け、産技研は同中期目標の達成に向けた「中期計画」と各年度の「年度計画」をそれぞれ策定して、質の高い研究開発・支援業務並びに規律ある財務運営に努めてきました。それらの実践を通じて職員一同が経験した大小様々な「優れた取組:GP(Good Practice)」は、より実効ある技術支援を可能にする組織改革の原動力になりました。
2026年4月から始動した 第4期中期目標 と 第4期中期計画 では、創設以来100年に及ぶ産技研が総合的な技術支援活動の基盤にしてきた基幹4項目:
(1) 技術相談
(2) 試験・分析、設備機器の整備及び利用
(3) ものづくりの担い手支援
(4) 研究開発の推進
をさらに充実・進化させる計画になっており、これまでの3期12年間に蓄積したGPを踏まえて、従来とは一線を画する取組を新基軸として打ち出しました。特に21世紀の第2四半期の幕開けとともに到来した本格的なAI(人工知能:Artificial Intelligence)社会の実相を正しく認識し、地域企業の多様なニーズに応えるために、AIをはじめとしてDX(Digital Transformation)やGX(カーボンニュートラルを実現するGreen Transformation)に共通のデジタル技術を活用した、新技術の戦略的な研究開発や技術支援の取組を強化しました。また、上記の基幹4項目に加えて新たな取組項目:
(5) 産技研の技術を核としたコミュニティの活性化
を設定しました。この取組計画では、第3期に旧ものづくり協力会を再編・活性化して注目度を増しつつある産技研UC(ユーザーズコミュニティ)を中核に据え、新産業分野創出の新たな担い手と期待されるスタートアップ(アントレプレナー及び文化に特化したカルチャープレナー)に対する活動の場の提供と技術支援に注力することにしています。
産技研では、社会の潮流に流されることなく、第3期中期計画の時点からAI技術の基盤である機械学習の研究開発に着手し、伝統産業分野に橋渡し可能な新しい応用技術(柄のある織物向け自動学習検反システム)を開発しました。同様にDX応用でも、地域の精密金属加工メーカーによる新工場開設に対応して、新生産ライン整備の現場で伴走支援しラインのフルオートメーション化を完成しました。またGX応用では、CNF(セルロースナノファイバー)と石油系ポリマーの新しいコンポジット材料開発に関する産学公連携の国家プロジェクトに参画し、数種の実用技術を創出してきました。他方、創設から100年を超える我が国の代表的な公設試である産技研は、これまでにスタートアップからグローバル企業に成長した複数の京都地域企業を支援してきた実績があります。第4期中期計画においては、伝統産業分野と先進産業分野で研究開発・蓄積してきた産技研発の多様なGP=技術資産の波及拡大を図りつつ、京都の地域企業やスタートアップを対象に成長段階に応じた技術支援活動を引き続き展開し、新時代の京都を切り拓く技術基盤の構築と産業競争力の強化につなげてまいります。
地方独立行政法人
京都市産業技術研究所
理事長
西本 清一(にしもと せいいち)
Sei-ichi Nishimoto
研究所概要
| 名称 | 地方独立行政法人 京都市産業技術研究所 |
|---|---|
| 英語名称 | KYOTO MUNICIPAL INSTITUTE OF INDUSTRIAL TECHNOLOGY AND CULTURE |
| 所在地 | 〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町91 京都リサーチパーク9号館南棟 |
| 設立 | 大正5(1916)年10月 |
| 理事 | 理事長 西本 清一 副理事長 馬屋原 宏 理事・研究室長 中村 俊博 |
研究所運営の概要について
アクセス
〒600-8815
京都市下京区中堂寺粟田町91 京都リサーチパーク9号館南棟
- バス
「市立病院前」 東へ徒歩約5分
「京都リサーチパーク前」 西へ徒歩約5分
「西大路五条」 東へ徒歩約10分 - 電車
JR嵯峨野線「丹波口」駅 西へ徒歩約10分
- 車
駐車場(有料)あり
- その他
バイク・自転車駐輪場(無料)あり

KRP地区内駐車場MAP
地下駐車場から直接入ることはできません。
9号館(北棟)・10号館にお回りください。
入り口
京都市産業技術研究所のある9号館の東面には、入口が3つあります。北側の五条通に近い方から、スターバックス・9号館北棟・産技研(9号館南棟)の入口です。3つ目の自動ドアからお入りください。
沿革
- 繊旧京都市産業技術研究所繊維技術センター(京都市染織試験場)
- 工旧京都市産業技術研究所工業技術センター(京都市工業試験場)
- 共両センター共通
- 1916年
(大正5年10月)繊 西陣織物同業組合から、有姿のまま西陣織物染織試験場施設(上京区烏丸通上立売上ル相国寺門前町)の寄付を受け、京都市染織試験場として発足
- 1920年
(大正9年3月)工 - 化学工業を振興するため、技術上の諮問指導に当たる研究機関として京都市工業研究所を設立
- 京都市立工業学校(上京区烏丸通上立売上ル相国寺門前町)の施設で、業務を開始
- 1923年
(大正12年8月)工 新庁舎(市内東九条山王町)へ移転
- 1926年
(大正15年4月)工 京都市陶磁器講習所(明治29年8月に業務を開始した京都市陶磁器試験所を、大正8年の国立陶磁器試験所の設置に伴い、大正9年に改称)を工業研究所に移管統合し、同講習所跡地(東山区東大路五条上ル梅林町)に工業研究所窯業部を設置
- 1926年
(大正15年9月)工 金属部を設置し、金属工芸に関する指導業務を開始
- 1927年
(昭和2年4月)工 図案係を設置し、工芸品の意匠に関する指導業務を開始
- 1936年
(昭和11年)工 酒造業界の巡回指導開始
- 1949年
(昭和24年)繊 西陣織物技能者養成開始
- 1954年
(昭和29年)繊 染織物の巡回指導開始
- 1954年
(昭和29年5月)工 窯業部が旧国立陶磁器試験所跡(伏見区深草正覚町14番地)に設置された京都市工芸指導所へ移転
- 1955年
(昭和30年4月)工 工業研究所全体を京都市工芸指導所に移管合併し、京都市工芸指導所と改称
- 1956年
(昭和31年)繊 染織図案技能者養成講習会開催
- 1961年
(昭和36年)繊 技術相談室を開設
- 1962年
(昭和37年)工 酵母の分譲開始
- 1964年
(昭和39年)繊 中小企業染織技術者研修(本科)開講
- 1966年
(昭和41年)繊 中小企業染織技術者研修(専攻科)開講
- 1966年
(昭和41年11月)工 工芸指導所を京都市工業試験場に改称
- 1966年
(昭和41年12月)工 新庁舎(南区西九条南田町1-2)へ移転
- 1967年
(昭和42年)繊 本友禅(手描)実技講習会開講
- 1968年
(昭和43年4月)繊 西陣織物技術者養成研修会開講
- 1979年
(昭和54年)工 めっき技術巡回指導開始
- 1989年
(平成元年10月)工 下京区中堂寺南町の「京都リサーチパーク」へ移転
- 2003年
(平成15年4月)共 京都市産業技術研究所を設置。これに伴い、工業試験場と染織試験場を各々同研究所工業技術センターと同研究所繊維技術センターに改称
- 2006年
(平成18年4月)共 「京都市産業技術研究所整備基本構想」を策定し、両センターの立地的統合を「京都リサーチパーク」内で進めることとした
- 2010年
(平成22年9月)共 新庁舎(下京区中堂寺粟田町91番地)へ移転
- 2010年
(平成22年10月) 新京都市産業技術研究所開所
- 2014年
(平成26年4月) 地方独立行政法人へ移行(地方独立行政法人京都市産業技術研究所の設立)
- 2016年
(平成28年10月) 設立100周年記念事業として式典開催