地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
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理事長挨拶

地域産業振興と試験分析・研究開発支援における質の向上をめざして

理事長 西本清一の写真

京都市産業技術研究所は,2014(平成26)年4月1日をもって『地方独立行政法人京都市産業技術研究所』へ移行し,京都市が企画立案する政策ならびに行政サービスのうち,地域産業の発展を促すための運用部門(試験分析・研究開発・人材育成・技術支援指導)を担う自立した公設試験研究機関として,新たな運営活動を開始しました。

京都市産業技術研究所の歴史は古く,明治期の京都染工講習所[1886(明治19)年設置]と陶磁器試験所[1896(明治29)年設置]まで遡りますが, 1916(大正5)年10月に西陣織物同業組合から寄付された旧西陣織物染織試験場[1908(明治41)年開設]を原資として京都市染織試験場が発足し,続いて大正期の社会的要請を背景に化学工業の振興を目的として1920(大正9)年3月に創設された京都市工業研究所[1966(昭和41)年,京都市工業試験場に改称]が公式の起源とされています。同工業研究所の創設に併せて,陶磁器試験所は京都市陶磁器講習所に改称[1920(大正9)年]されたのち,1926(大正15)年4月に京都市工業研究所へ移管統合されました。このような関連組織の変遷を経て,2003(平成15)年4月に京都市染織試験場と京都市工業試験場をそれぞれ繊維技術センターと工業技術センターに改称し,両技術センターを組織統合して京都市産業技術研究所が創設されました。さらに「京都市産業技術研究所整備基本構想(概要版) (本文)」[2006(平成18)年4月]に沿って京都リサーチパーク(KRP)西地区に京都市産業技術研究所の新しい総合研究棟が2010(平成22)年10月に竣工し,両技術センターの立地統合が実現しました。こうして,西陣織,京友禅,京焼・清水焼ほかの伝統産業分野に対する試験分析や加工技術開発などの支援とともに,多様な先進産業分野における研究と技術開発を担う公設試験研究機関として,「ものづくり」文化を培養してきた京都地域に相応しい組織体制が整備されるに至りました。名実ともに新生した京都市産業技術研究所には知恵産業融合センターが新設[2010(平成22)年11月]され,京都の伝統産業と先進産業の融合による新しい京都ブランドの創出機能に大きな期待が寄せられています。

このたびの地方独立行政法人化は,研究開発支援や人材育成など,京都市産業技術研究所に固有の機能を一層高度化する一方,研究所外の大学,公的機関,産業界との連携体制を強化するための組織再編を伴っています。地方独立行政法人化の準備に当たって策定された「新しい京都市産業技術研究所の組織・運営システムに関する方針(本文)」[2012(平成 24 )年 4 月]には、京都市の産業政策と連動する中長期的視点に立った事業を実施するとともに,組織運営における透明性の向上を図りつつ,複雑化・高度化する中小企業のニーズに対してこれまで以上に迅速かつ的確に応えていくとの方針が明記されています。

新たに地方独立行政法人となった産業技術研究所に対して京都市長から平成26年から29年までの4年間に達成すべき第1期の「中期目標(本文)」が示され,産業技術研究所は個々の目標を達成するための「中期計画(本文)」を市長に提出して認可されました。京都の伝統であり地域産業界の強みでもある「ものづくり」文化に対し,産業技術の研究開発面で下支えすることを使命に掲げる京都市産業技術研究所は,これまで堅持してきたアイデンティティと先進性に加え,地方独立行政法人化を機に可能となった柔軟かつ機動的な組織運営を活かしつつ,研究所員一同が一丸となって中期目標の達成に努め,ひいては地域産業の活性化という新時代の要請に応えて参る所存です。

今後とも進化し続ける産業技術研究所の地域支援活動にご注目いただければ幸いです。

地方独立行政法人 京都市産業技術研究所 理事長
西本 清一(にしもと せいいち)
Sei-ichi Nishimoto

学歴・職歴

学歴

1975(昭和50)年3月 京都大学大学院工学研究科博士課程(高分子化学専攻)単位取得退学

職歴

1985(昭和60)年4月 京都大学工学部助教授
1993(平成5)年12月 京都大学工学部教授
1996(平成8)年4月 京都大学大学院工学研究科教授(配置替え)
2006(平成18)年4月~
2008(平成20)年3月
京都大学大学院工学研究科長・京都大学工学部長
京都大学副学長(桂キャンパス担当)
2011(平成23)年1月~
2014(平成26)年3月
京都市産業技術研究所 所長
2012(平成24)年4月 京都大学名誉教授
2012(平成24)年7月 公益財団法人京都高度技術研究所理事長(兼務)
2014(平成26)年4月 地方独立行政法人京都市産業技術研究所 理事長