地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
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製織システム・DX分野(ご利用者向け)

製織技術、繊維物性評価技術、コンピュータ応用技術という3つの技術をコアとしています。これら3つの技術の発展および相互に融合させることにより、業界に貢献していきます。

業務内容

(1)研究・技術分野

製織及び製織準備技術(織機や周辺工程に関する知見、CGS紋紙情報)、繊維製品性能評価技術(使用感評価手法、官能検査)、ソフトウェア技術(AI、電子制御、CGSソフト開発)、コンピュータ活用によるものづくり支援技術(CAD、CAM,3Dプリンタ、3D切削加工、Factory Automation)、AR(拡張現実)/VR(バーチャルリアリティ)、材料の力学解析(マイクロメカニックス)の得意技術を持ち、織物製造技術、織物評価技術の開発やコンピュータ技術やロボティクス技術を活用した種々のシステムを開発しています。

(2)技術相談・指導業務

織物開発における製織技術、製紋技術に関する技術相談や指導を行っています。また、製造後に発見された種々の織物故障の相談も受けています。
 繊維材料分野では、KESシステムを活用した物性評価や風合い評価、規格にはない依頼者が要求する様々な評価についても技術相談・指導として対応しています。

(3)依頼試験・分析

織物や繊維に対する種々の試験をJIS規格に基づいて行います。また、規格にはない依頼者が要求する様々な試験についても所有設備で可能な場合は対応しています。さらに、繊維材料にこだわらず、フィルムなど繊維材料以外にも幅広く対応しています。

(4)人材育成・研修業務

伝統産業技術後継者育成研修西陣織コースやORT事業(研究所の設備を用いることによる新たな織物開発や素材特性評価技術の習得)

主な取扱設備機器

  • 部分整経機、サンプル整経機
  • リング式撚糸機、意匠撚糸機
  • 両12丁シャットル織機、2688口複動式電子ジャカード、1344口単動式電子ジャカード
  • 風合い計測 KESシステム
  • 環境調整室

主な研究シーズ

  • CGS(※2)II新アプリケーションの研究開発

    西陣織を代表とする紋織物業界向けに、紋織物を織るための、紋紙データを編集・作成するソフトウェア開発を通じて、生産工程の改善、新製品の開発を支援しています。
    時代と共に使いやすいインターフェイスや求められる機能は変化してきます。「新Windows版CGSIIソフトウェア」については、基本的な機能をまとめた「基本パック」と応用的な機能をまとめた「応用パック」に分けて提供しております。また、ストーブリ社製の電子ジャカードフォーマット(JC5データ)への変換対応、JC5データの拡張領域(対応する織機の制御に用いるデータ領域)へのビット単位のデータ設定も対応していますので、最新の織機運用も可能です。
    ※2:コンピュータ・グラフィック・システムの略語で, 西陣織等の紋織物を作る場合に必要となる紋紙データ情報の一種で記録媒体に記録する際の書き込み方(フォーマットの名称)です。

    CGSIIフォーマットは, 西陣織工業組合と京都市染織試験場注1)が中心となり, 1999年に策定したジャカード制御用データフォーマット(規格)です。一般に公開された規格であり, 誰でも使用していただけます。
    注1)京都市産業技術研究所の前身の一つ

    CGSIIフォーマットの詳細については下記リンクをご覧ください。
     ジャカードデータCGSIIフォーマット注2)
    注2)冊子で公開されていたものを当研究所が電子化(2015年)

    CGSIIデータの整合性をチェックするソフトウェア及びドライバソフトウェア「FD-Driver for CGS」を公開しています。
    下記使用条件をお読みいただき、同意いただける場合はダウンロードしてご使用ください。

    CGSIIデータチェックソフトウェア及びドライバソフトウェア「FD-Driver for CGS」使用条件

    • 著作権
      • 本ソフトウェアの著作権は、地方独立行政法人京都市産業技術研究所が保有します。
    • 禁止事項
      • 本ソフトウェアの複製、譲渡、販売、改変、リバースエンジニアリング
    • 免責
      • 本ソフトウェアの使用に起因して、使用者又はその他第三者が被った直接的、偶発的、その他いかなる損害について、原因の如何を問わず、弊所は一切の責任を負いません。
    • その他
      • 弊所は事前に周知することなく本ソフトウェアの仕様を改訂、若しくは公開を中止することがあります。
    • 動作環境
      • CGSIIデータチェックソフトウェアについて
        • 最新のサービスパック、.NET Framework4以降がインストールされている下記OS
          • Windows 8.1
          • Windows 8
          • Windows 7
          • Windows Vista
      • ドライバソフトウェア「FD-Driver for CGS」について
        • ダウンロードファイルに同封されております「RELEASE_re.TXT」ファイルをご確認ください。

    本ソフトウェアをダウンロードした時点でご使用条件に同意していただいたものとみなしますので, 同意されない場合はダウンロードなさらないでください。

    CGSIIデータチェックソフトウェア
    同意してダウンロード
    • ファイル構成は以下
      • CGSIIDataChecker.exe:ソフトウェア本体
      • CGSIIUtil.dll:ソフトウェアで使用するライブラリ
      • readme_使用条件(はじめにお読みください).txt:使用条件等文書

    ドライバソフトウェア「FD-Driver for CGS」
    同意してダウンロード
    • ファイル構成は以下
      • fdcgs104.exe:ドライバソフトウェア本体
      • install_re.pdf:インストール説明書PFDファイル版
      • INSTALL_re.TXT:インストール説明書テキストファイル版
      • RELEASE_re.TXT:リリースノート

  • 画像処理におけるAI技術の活用

     デザインのある紋織物を対象とした織キズなどの異常検出は非常に難しい課題であり、このような織物の検反工程は自動化できておりません。西陣織の製造においては織物異常が発生した段階で製織を中断し、その場で修正を行う必要がありますが、この判断は職人の目視に頼っている現状があります。これらを踏まえ、画像処理により織物異常を検出する技術開発を行っております。
     機械学習による新規な異常検出手法を提案し、日本繊維機械学会の論文誌に採択されました。多種多様な織物異常に対応できるよう、研究から実用に向けて開発を進めています。
    教師なし学習により異常が含まれる画像から正常画像を予測した例
    (左:異常、右:正常予測)
    http://www.mi.imati.cnr.it/ettore/NanoTWICE/(2020.6.確認)

  • 繊維製品の使用感評価に関する研究(センシング)

    (1)画像相関法を用いた触感センシング手法の提案
     人がものに触れると皮膚が変形し、その変形を脳が解釈するというのが触覚です。この触覚によって感じるサラサラ、ツルツルといった触感は製品や商品を購入する際の重要なポイントの一つとなっています。
     この触感の評価ですが、人の感覚ということで、実際の人が触る感覚的な方法が多く用いられています。しかし、近年は客観的な数値データとして強く求められることが多くなってきました。そこで、このような触感を数値データとして評価するために、皮膚の変形を定量的に取得できる新たな触感センシング技術の開発に取り組んでいます。
      図1 試作したセンシング機構                 図2 評価実験の一例

    (2)筆やブラシの力学特性測定法の提案
     京友禅の筆や化粧用ブラシの毛束には獣毛が多く使用されています。しかしながら、近年はワシントン条約や動物愛護などの社会情勢を受け、獣毛に代わる材料として、獣毛を模擬した合成繊維の開発に取り組まれています。
     ブラシなどの使用感は、繊維素材としての特性だけでなく、毛束の形状やサイズも影響します。すなわち、集合体としての評価が必要です。そこで、実際の使用方法を反映し、ブラシなど各アイテムに求められる特性を、力学量で測定する方法を提案しています。さらに人がどのように感じるのかを調査し、力学量との関係も研究しています。

担当研究会

  • 西陣織物研究会

担当者

  • 名所 高一
    製織技術、製織準備技術、織物故障鑑定、繊維製品物性評価
  • 仮屋 昭博
    製織技術、製織準備技術、織物故障鑑定
  • 廣澤 覚
    繊維製品物性評価、コンピュータ応用技術
  • 本田 元志
    製織・製紋(CGS)技術、織物設計・開発、FA制御
  • 小田 明佳
    繊維製品物性評価、感覚・感性評価技術
  • 岩﨑 健太
    コンピュータ応用技術、システム開発全般