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研究成果

特定芳香族アミンをはじめとする繊維製品に含まれる物質の法規制への対応 2:特定芳香族アミンに対する分析手法の確立

  • 技術ノート
  • 染色加工
担当者
色染化学チーム
緒方 規矩也、上坂 貴宏、吉村 央、谷 啓史
概要

現在,我が国では各種有害物質についての規制強化の動きが加速している。本事業は,市内中小企業の技術支援を旨とする京都市産業技術研究所として,平成28年度より施行される特定芳香族アミン規制1)について対象となる物質の分析技術を確立し,蓄積した情報を業界支援に活かすことを目的としている。 分析は日本工業規格が定める方法2)に倣い染料を還元分解させ,分解物を溶媒抽出し,その抽出物をGC/MS測定することによって行った。本稿では「染色した布帛および染料製品単体での試験結果の違い」及び「染色濃度と特定芳香族アミン検出量の関係」について分析を行い,以下の結果を得た。・染色布帛と染料製品単体の試験結果の比較では,両試料に共通して染料構造に由来すると考えられるクロマトピークが検出された。他方で,片方の試料でしか見られないピークも検出されており,これらは染色助剤や繊維加工薬剤などの不純物に起因すると考えられる。・特定芳香族アミンの一種であるベンジジンを構造中に含む染料Direct Black 38を用いて染色した絹布において,布帛の染色濃度と検出されたベンジジン濃度との間に強い相関が認められた。また,布帛の染色濃度が淡色(0.1%o.w.f.)でも,規制値である30ppmに達するベンジジンが検出された。

研究期間

平成26年4月~平成27年3月

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キーワード

  • アゾ染料
  • アゾ色素
  • 分析
  • 特定芳香族アミン

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