変性セルロースナノファイバー強化ナイロン樹脂の射出発泡成形
- プラスチック
- 研究論文
担当者 |
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概要 |
発泡における疎水化学変性セルロースナノファイバー(変性CNF)の添加効果を明らかにし,軽量,高強度の発泡体を開発するため,ポリアミド 樹脂(PA6)を対象とした変性CNF/熱可塑性樹脂複合材料の窒素ガスによる発6泡射出成形について検討した。その結果,以下のことが明らかになった。溶融状態における変性CNF強化PA6(変性CNF/PA6)の低周波での貯蔵弾性率は,PA6単体やミネラル(無機・鉱物系フィラー)強化PA6(ミネラル/PA6)よりも大幅に大きな値であった。PA6中で変性CNFがネットワーク構造を形成している可能性が示唆された。に起因して,発泡時の気泡の合一や成長が抑制されることにより,変性CNF/PA6発泡体の気泡は,同一成形条件のPA6単体やミネラル/PA6発泡体の気泡径よりも大幅に微細化した。比重約0.7において,変性CNF/PA6発泡体の比曲げ弾性率,比曲げ強度が最大値をとり,同一成形条件のPA6単体やミネラル/PA6発泡体に対する上昇度合いも最大になることが明らかになった。変性CNF/PA6発泡体の線熱膨張率は,未発泡体の場合と同様の傾向で,PA6単体やミネラル/PA6の場合よりも小さな値となった。 以上より,変性CNFを複合化することで,一般的に用いられる補強材であるミネラルに比べて少量で効果的にPA6発泡体の気泡微細化や発泡体強化,線熱膨張率の低下ができることが明らかになった。 |
研究期間 |
平成27年4月~平成28年3月 |
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キーワード
- セルロースナノファイバー
- ナイロン
- ポリアミド
- 物理発泡剤
- 発泡射出成形