講演講習会「初代諏訪蘇山の技術」
-明治期における蘇山の独自性と革新性-
初代諏訪蘇山(本名・好武 1851-1922)は、加賀国金沢の武家に生まれ、明治 6 年義父任(とう)田屋(だや)徳次に陶画を学び、陶業の道へと進みました。活動の前半期は、一時、東京でフェノロサやワグネルに美術工芸や化学を学び、陶器像石膏像模型捻造業を営んだ後、故郷石川県金沢を拠点に陶磁制作を行いました。後半期は京都に移住して、五条坂で独立開業、生涯に渡って自らの陶磁制作に専念します。
今回の講演講習会では、現在、諏訪家に残る石膏型や覚書をはじめとした資料を対象として、蘇山の陶磁制作について研究されている、佐藤一信館長(愛知県陶磁美術館)をお招きし、明治期における蘇山の独自性や革新性についてお話をいただきます。その中でも、蘇山の釉下彩研究や、青磁における素地や釉薬の化学的探求の成果は、当時、国内屈指の専門研究機関であった京都市陶磁器試験場の研究を凌ぐレベルであったとされており、今回は、それらの釉薬技術等について、横山直範氏、当代諏訪蘇山氏、潮桂子氏にも登壇いただき、解説及び蘇山にまつわる様々なお話をしていただきます。
当日は、諏訪家に残る初代の石膏型や作品、また、複製した石膏型から作成した作品など、貴重な資料も展示予定です。多数の方のご参加をお待ちいたしております。
日時
令和7年2月20日(木)15:00~16:30
内容
「初代諏訪蘇山の技術」-明治期における蘇山の独自性と革新性-
佐藤一信氏(愛知県陶磁美術館館長)
登壇者:横山直範氏(京都市産業技術研究所 名誉研究フェロー)
諏訪蘇山氏(陶芸家)、潮桂子氏(陶芸家・当研究会企画部会長)
会場
(地独)京都市産業技術研究所 2階ホールABC
京都市下京区中堂寺粟田町91(京都リサーチパーク9号館南棟)
定員
60名(先着順)※定員を超えた場合のみ、お断りの連絡をいたします。
参加費
1,000円(京都陶磁器研究会会員及びUC会員は無料)
当日、図録『没後百年―初代諏訪蘇山』をお求めの方は別途1,500円をご用意ください。
※要事前申込。図録の詳細は、こちらをご参照ください。
申込方法
令和7年2月13日(木)までに 別紙申込書 の郵送・FAX、または、入力フォームにより、必要事項をご連絡ください。
1. 郵送の場合 〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町91
(地独)京都市産業技術研究所 陶磁器担当 宛
2. FAXの場合 075-326-6170
問い合わせ先
製品化・人材育成支援グループ 岡崎 TEL 075-326-6100(代表)
【図録について】
今回の講演内容は、以下の図録を参照いただけますと、より理解を深める事ができます。当日、会場にて図録の販売をいたしますので、購入を希望される方は、申込書の(図録の購入を希望する)に〇をしていただき、当日はお支払いの準備をお願いいたします。
※購入は事前申込に限ります。お支払いは、おつりが出ないようご協力をお願いたします。
『没後百年―初代諏訪蘇山』
128頁 令和4(2022)年9月3日発行 価格:1,500円≪収録内容≫ 初代蘇山作品及び関連作品図版105件
「初代蘇山のこと」 四代諏訪蘇山
「初代諏訪蘇山アーカイブ化プロジェクトについて」
京都工芸繊維大学高度技術支援センター技術職員 井上智博
京都工芸繊維大学理事・副学長 小野芳朗
「初代諏訪蘇山の陶磁制作について 置物、石膏型、釉下彩、青磁を中心に」
愛知県陶磁美術館館長 佐藤一信
「初代諏訪蘇山と江沼九谷」 石川県九谷焼美術館副館長 中越康介