熟成年数の異なる市販清酒の成分比較及びHS-SPME-GC/MSによる熟成清酒の微量香気成分分析
- バイオ・食品・醸造
- 技術ノート
担当者 |
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概要 |
清酒の熟成による成分変化を明らかにするため,長期保管している製造年度の異なる清酒の分析を行った。香味成分について,糖や有機酸には熟成年数に伴う一定の増減傾向は見られなかったが,一部のアミノ酸で,熟成年数が長いほど濃度が高くなる傾向が見られた。また,ヘッドスペース-固相マイクロ抽出-ガスクロマトグラフィー-質量分析装置(HS-SPME-GC/MS)による熟成清酒中の微量香気成分の定性分析を行った。通常のHS法では10種類程度の検出しかできないところ,この装置により60から70種類のピークを検出し,成分を推定することができた。新酒との比較を行ったところ,新酒では華やかな果実様香を持つ多種の脂肪酸エステルが検出されたが,これらは熟成清酒では検出されなかった。一方で,熟成清酒ではフルフラールなどのメイラード反応生成物や,コハク酸ジエチルなどの有機酸エチルエステルが顕著に検出され,他に多種のアルコールやアルデヒド,エステル類も検出された。 |
研究期間 |
平成27年4月~平成28年3月 |
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キーワード
- GC/MS
- SPME
- 固相抽出
- 日本酒
- 香気成分