京漆器の新商品提案 -「ユビワ入」のデザインと制作-
- デザイン
- 技術ノート
- 塗装・漆工
担当者 |
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概要 |
京漆器の商品構成の幅を広げることを目標に,伝統的な茶道具の「棗」について,蓋物としての用途と形状を検討して,「ユビワ入」をデザインした。コンセプトは「漆器の手触りを普段使いに」とし,高級感のある京漆器を日常生活で楽しめるものを想定した。ターゲットは主に40~50代女性,用途は「アクセサリーなど日常的に使う小物を入れるシックな容器」とした。 スタイリングは,伝統的な「平棗」の形状を基本とし,フタの中央にへこみをつけ柔らかさを加えた新しいデザインにした。外が黒溜,内が摺漆,合い口が黒漆の塗立で仕上げ,黒溜の深みと内部の木目の美しさの両方を楽しめるように制作した。工芸デザインで重要なのは意匠,素材,製造技術である。その各要素に新規性を持たせるか伝統的な方法にするかが常に問われる。今回は「平棗」をモチーフに新しいデザインを構想したものであるが,京都の意匠に学び,京都の技術や素材を実際に活用することを前提においた。今回の制作をプロトタイプとして商品化などを事業を検討し,「京漆器」を製造できる環境を京都において今後に引き継ぐ活動に繋げたいと考えている。 |
研究期間 |
平成26年4月~平成27年3月 |
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キーワード
- 京都の伝統産業
- 平棗
- 漆器