電気銅めっきの皮膜特性における室温経時変化
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- 研究論文
担当者 |
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概要 |
銅は導電性が求められる電子部品などに広く用いられている。近年,電子部品のさらなる高密度・高集積化に伴い,それらを構成する銅製部品の小型化に資する技術の高度化が求められている。電気銅めっき法は,めっき条件を調整することで,所望の電気的及び機械的特性を有した銅製3次元微細構造体を作製できることから,次世代電子デバイスの創製に活用できる有望な技術とされている。しかし,電気銅めっき皮膜の硬度及び導電率などの物性は,室温放置により変化しやすいため,その挙動に関する知見を得ることは,次世代電子デバイス用の銅製微細構造体を得る上で重要である。 そこで本研究では,銅の良好な導電性を損なうことなく,小型化・微細化に対応可能な電気銅めっき法による3次元微細構造体の作製技術の開発を最終目的に,種々添加剤を用いた電気銅めっき皮膜の硬度と導電性の室温経時変化について検討した。 その結果,添加剤を用いない電気銅めっき皮膜は,高い導電率を示すが,硬度が110HV程度であり,3次元微細構造体として用いるには強度が不十分であった。一方,添加剤を用いためっき直後の硬度が180HVの銅めっき皮膜は,機械的特性の改善が図れるものの,めっき後4~6日の室温経過により100HVまで急激な硬度低下が生じた。また,添加剤の選定によりめっき直後の硬度が150HVの銅めっき皮膜は,比較的高い硬度と良好な導電性を示し,さらにそれらの物性は極めて経時安定性に優れることから,3次元微細構造体作製技術への適用が期待できることがわかった。 |
研究期間 |
平成26年4月~平成27年3月 |
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キーワード
- 室温再結晶
- 導電率
- 硬度
- 銅めっき