バイモーダルなセル構造を有するポリ乳酸/セルロースナノファイバー強化発泡体の断熱性と圧縮特性の向上
- プラスチック
- 研究抄録
担当者 |
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概要 |
セルのモルフォロジー(形状、数密度、独立泡、連続泡など)は、発泡体の性質を決定づける重要な因子である。例えば独立泡は断熱性、連続泡は吸音性、高数密度は軽量や耐久性を発現する。これらの2種類以上のセルモルフォロジーや異なるセルサイズを同一発泡体に形成することができれば、複数の機能や性能を発泡成形体に付与することが可能となる。本研究では、セルロースナノファイバー(CNF)をPLA(ポリ乳酸)に添加することにより、セル径分布がバイモーダルなPLA/CNF強化発泡体を作製することに成功した。通常、バイモーダルなセル径分布を得るには、2種類の発泡剤を用いる、またはガスの拡散性が異なる2種類のポリマーをブレンドするなどの手法がある。それらに対して本研究では、CNFを利用することにより、発泡剤として超臨界二酸化炭素のみを使用し、ワンステップの減圧発泡プロセスによりバイモーダルセルを形成させた。CNFの気泡成長抑制による微細気泡の形成、及びPLA/CNFの界面を核として生成する気泡が発泡時に合一して成長することによる粗大気泡の形成が同時に起こることによるものである。作製したバイモーダルセル構造のPLA/CNF複合発泡体は20倍の高発泡倍率(PLAのみでは5倍程度)、熱伝導率 0.041 w/m・Kの断熱性(PLAのみでは0.063 w/m・K)、且つ87.7MPa/g・cm3の高圧縮性能(PLAのみは22.2 MPa/g・cm3)を示した。 |
原題 |
Improved thermal insulation and compressive property of bimodal poly (lactic acid)/cellulose nanocomposite foams |
発行年度 |
2023年度発行 |
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キーワード
- ポリ乳酸
- 発泡体
- セルサイズコントロール
- セルロースナノファイバー