TOP 研究成果 レオロジー特性と結晶化特性を向上させた軽量且つ高強度なポリ乳酸/セルロースナノファイバーナノコンポジット発泡体

研究成果

レオロジー特性と結晶化特性を向上させた軽量且つ高強度なポリ乳酸/セルロースナノファイバーナノコンポジット発泡体

  • プラスチック
  • 研究抄録
担当者
産業支援グループ
仙波 健
中国科学院
Qian Ren
中国科学院
Minghui Wu
中国科学院
Long Wang
中国科学院
Wenge Zheng
京都大学
引間 悠太
京都大学
大嶋 正裕
概要

 射出発泡成形は、オートクレーブによるバッチ発泡成形に対して、サイクルタイムが短いことから自動車部品の生産等において活用されている。しかしながらスクリューにより短時間でガスを樹脂に溶解させるため、ボイドの発生、発泡倍率不足などの問題が発生しやすい。そこで本研究では、射出発泡成形において、PLAにセルロースナノファイバー(CNF)を添加することにより、レオロジー特性と結晶化速度を向上させ、射出発泡成形性能を大幅に向上させることを目指した。アセチル化することにより疎水性を付与したCNFにより補強された微小セルから形成されるPLA/CNF複合射出発泡体は、最小セルサイズ5.4μm、空隙率50%に到達した。非強化PLAとPLA/CNFの射出発泡体を比較すると、引張降伏応力(+83%)と引張弾性率(+49%)が向上した。これは添加されたアセチル化CNFがセルを強化し、更にセルを微細化、均一化したためである。本技術は量産に適した射出発泡成形を、完全生分解性のPLA系複合材料に適用することを可能にするものである。

(The Journal of Supercritical Fluids (ELSEVIER,Volume 190, November, 2022, 105758に掲載された。)

原題

Light and strong poly (lactic acid)/ cellulose nanofiber nanocomposite foams with enhanced rheological and crystallization property

発行年度

2023年度発行

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キーワード

  • 溶融粘弾性
  • ポリ乳酸
  • 発泡体
  • セルロースナノファイバー
  • 軽量化