レオロジー特性、結晶性及び発泡性能が向上したセルロースナノファイバー強化ポリ乳酸
- プラスチック
- 研究抄録
担当者 |
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概要 |
ポリ乳酸(PLA)は植物由来、さらに生分解性を有するポリマーであり、その発泡体は緩衝材などへの展開が期待されてきた。しかしながらPLAは溶融張力が低く、さらに結晶化速度が遅いため、高倍率の発泡体の成形が困難であった。その改善のため、マイクロ、またはナノサイズの無機粒子や無機繊維が複合化されることがある。しかしながらPLA/無機物複合材料は、分解に伴い無機物が流出することとなり、完全生分解性が損なわれてしまう。そこで本研究では、生分解性を有するセルロースナノファイバー (CNF)とPLAを複合化し発泡成形を実施した。PLAとの相容性向上のため、アセチル化によりCNFに疎水性を付与した。アセチル化CNFとPLAの複合化は溶融混練により行い、マトリックスPLA中にアセチル化CNFが良好に分散した複合材料を得た。PLAにアセチル化CNF2wt%を複合したPLA/CNFのレオロジー特性を評価したところ、低周波数領域における弾性率の向上、つまり溶融張力の向上が確認された。さらに偏光顕微鏡観察及び高速示差走査熱量分析により、結晶化速度の向上が確認された。オートクレーブにPLA/CNF2wt%複合材料を入れ、1.5MPaの低圧条件下において二酸化炭素を12時間含侵させた後、圧力を開放して発泡体を作製したところ、溶融張力及び結晶化速度の向上により20.4倍の超高発泡倍率を達成することができた。 |
原題 |
Cellulose nanofiber reinforced poly (lactic acid) with enhanced rheology, crystallization and foaming ability |
発行年度 |
2023年度発行 |
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キーワード
- 植物由来
- 結晶性
- ポリ乳酸
- 発泡体
- セルロースナノファイバー