疎水性材料に分散する新しいCNF商品を開発
DATA
- 成果
- 新商品開発
- 業種
- 化学工業
- 対応分野
- デザイン / プラスチック
- 支援方法
- 人材育成(ORT) / 技術相談
- 企業・組織
- 株式会社 服部商店 淀工場
- ポイント
-
- 疎水性材料へ容易に分散する、非水系CNF分散体「セナフ®」を商品化
- 光学顕微鏡や電子顕微鏡を使用した観察や、レオメーターを使用した粘度測定を研究員がサポート
服部商店では1964 年から50 年以上に渡り、建築・自動車・土木等幅広い分野の混練実績があります。その経験から、幅広い粘度帯の混練・安定した生産処方の提案を行っています。
事業における課題
きっかけは研究員の着眼から
産技研が近年研究に取り組んでいる、植物繊維をナノメートルサイズにまでほぐして微細化した新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」。CNFは親水性の素材のため、疎水性の素材には混ざりにくい特性があります。
「あえて疎水性の材料に分散させることで、新たな付加価値、新たな市場への展開が見込めるのでは?」という研究員の意見から、CNFを使った製品開発に着手することになりました。
課題解決に向けた挑戦
産技研の機器を活用し、新製品開発に挑戦
まずは、CNFの原料となるパルプを選定。製品に適した原料を使い、産技研の長年の研究により培われたノウハウをもとに、疎水性媒体中でのパルプのほぐし方を検討しました。
開発の過程でORT(On the Research Training)研修という人材育成制度を活用し、パルプをCNFに解繊する技術、CNF分散スラリーの光学顕微鏡観察や粘度測定を研究員がサポート。評価結果から改善点をアドバイスし、製造工程を確立しました。
事業における成果
これまでにない特徴を持った商品の開発に成功
疎水性材料へ容易に分散する、非水系CNF分散体「セナフ®」の商品化に成功。セナフ®は、熱硬化性樹脂等の強度の向上や熱膨張率の低下、オイルや可塑剤の流動調整が可能です。これまでにない特徴を持った商品の登場により、新たな業界へアプローチできるようになりました。
企業・担当者のコメント
京都市産業技術研究所様には開発後にも様々な形でご支援いただき、製品化に向けて進んでくることができました。今では塗料にご採用いただくまでになっており、これからさらにご採用いただける会社を増やしていきたいと考えています。
PROFILE
株式会社 服部商店 淀工場
住所:京都市伏見区淀美豆町705
電話番号:075-631-3128
事業内容:建築・土木材料の製造・販売
受託製造(建築・土木・電子材料などの中型製造~少量製造)
セルロースナノファイバーの製造・販売
WEBサイト:https://www.hattori-shoten.co.jp