蔵付き乳酸菌発酵のエキスをボタニカルに活用
京都の恵みをいかしたクラフトジン製造
DATA
- 成果
- 新商品開発
- 業種
- 食料品・飲料
- 対応分野
- バイオ・食品・醸造
- 支援方法
- 技術相談 / 試験・分析
- 企業・組織
- 森の京都蒸溜所(Natural Spirits株式会社)
- ポイント
-
- 日本酒製造の蔵から蔵付きの乳酸菌を取得。最適な培養条件を見出すための依頼試験を実施、クラフトジン製造に活用するフレーバー開発を技術支援。
Natural Spirits株式会社は、技術や歴史を継承し、最新の研究技術と共に、世界中の人々へWELLNESSを提供することを目指して、歴史ある百年蔵の跡地にて、「森の京都蒸溜所」を設立、クラフトジンを製造しています。
事業における課題
福知山市にある日本酒の酒蔵跡地にて、クラフトジン製造事業を開始するにあたって、残された酒蔵から蔵付き微生物を単離し、その微生物で発酵させたエキスをクラフトジンのボタニカル(フレーバー)として活用したい、そのための技術支援について相談をいただきました。
課題解決に向けた挑戦
産技研では、蔵付き微生物を取得・培養するために以下のポイントを検討しました。
- 1年間に渡って、保存されていた酒蔵及び酒造用具から採取した試料を使って培養試験を繰り返し実施し、有胞子性乳酸菌「Weizmannia sp. K-1860 株(以下、乳酸菌K-1860 株)」を取得しました。
- 乳酸菌K-1860 株の取得後、保管条件や培養条件の最適化を行い、当社が行う小スケールでの製品試作と並行して、安定して乳酸菌K-1860株を培養できる条件を決定しました。
事業における成果
乳酸菌K-1860 株を取得し、これを活用して、京都産の9種の植物素材に対して一次発酵を行い、その後、酵母による二次発酵を行って「京の発酵エキス」を作りました。
京都の香味素材や和漢植物とこの「京の発酵エキス」をボタニカルに使用することにより、特徴的な香味のクラフトジンを製品化することができました。
出来上がったクラフトジンはクラウドファンディングにて販売開始され、目標の200%を達成しました。
企業・担当者のコメント
百年蔵の蔵付き乳酸菌を見出し、その発酵技術を継承しつつ、厳選した京素材を用いて、ボタニカルとして新たな製品開発を行いました。この京素材の発酵エキスにしか出せない特有のフローラルな香りは今までにないジンを誕生させました。
百年蔵の蔵付き乳酸菌の分析調査と量産体制の確立を京都市産業技術研究所様に依頼し、見事に実用化に結び付けていただけました。
唯一無二である Weizmannia sp. K-1860の命名における、Kは京都を意味し、1860は我々の引き継いだ酒蔵が創業された年、江戸時代の1860年に由来します。
PROFILE
森の京都蒸溜所(Natural Spirits株式会社)
住所:(本店) 京都市東山区祇園町北側300番地 MOON BEAUTY GION
(蒸留所)京都府福知山市下小田204番地
電話番号:0773-45-8775
事業内容:蒸溜酒製造、清涼飲料水製造
WEBサイト:https://www.naturalspirits.kyoto/