新パッケージの製品の香りを測定し、
商品改良の効果を確認
DATA
- 成果
- 新商品開発
- 業種
- 食料品・飲料
- 対応分野
- バイオ・食品・醸造
- 支援方法
- 機器利用 / 試験・分析
- 企業・組織
- 小川珈琲株式会社
- ポイント
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- コーヒーの香りを分析し、パッケージ変更の効果を評価
- パッケージがつぶれないよう、オーダーメイドの強度試験で改善策を調査
小川珈琲株式会社は、1952年に京都市中京区にて創業。現在は、コーヒーの製造および紅茶・コーヒー器具等の卸売、販売等を幅広く行っています。
事業における課題
商品改良の効果を科学的データから確認したい
リキッドコーヒーのパッケージをリニューアルするにあたって、パッケージを変えることによる香りや風味の変化を、科学的なデータで確認したいとのご要望をいただきました。新しいパッケージは、加熱処置の工程を減らすことで、コーヒーをフレッシュなままパッキングできることが特徴。香りや風味を保つ効果が期待されていました。
また、新パッケージが配送中につぶれてしまう事例があったため、包材強度の確認が必要になりました。普段利用されている試験機関では、規定の条件以外での検査に対応できなかったため、産技研にご相談いただきました。
課題解決に向けた挑戦
高度分析計測機器を使用した「香り」の分析と強度試験が、改良を後押し
新しいパッケージと従来のパッケージのコーヒーの香りを比較するために、産技研内にあるバイオ計測センターの高度分析計測機器を利用して、担当者がご自身で分析を行いました。使用したのは、ガスクロマトグラフ質量分析計(匂い嗅ぎ付きGC-MS)※1。試料の前処理方法、機器の操作方法やデータ分析の方法を研究員がサポートしました。
※1ガスクロマトグラフ質量分析計(匂い嗅ぎ付きGC-MS):試料中の揮発成分を分析する計測機器。本機器には匂い嗅ぎ装置が接続されている。機械による化合物の分析と人が匂いを嗅ぐことを同時に行うことができ、匂いの成分とその匂いに対して人が感じる感覚を関連させて評価できる機器。
分析を行ったところ、
- 以前のパッケージでは確認できなかった新たな香りが複数含まれること
- 新パッケージの方がピークの大きな香り成分があること
の2点を確認しました。
また、新パッケージの包材強度を知るため、産技研で強度試験を実施。通常の測定方法とは異なるオーダーメイド試験を提案し、パッケージが潰れる圧力データを取得しました。
事業における成果
有益なデータを取得
新しいパッケージの特徴として、よりフレッシュな状態で、香りを逃さずにパックできている可能性を示す科学的根拠を得ることができました。
また、強度試験の結果を、その後の出荷方法の検討に活用することができました。
企業・担当者のコメント
パッケージ改良の効果を科学的に検証する際に、分析機器の利用、サンプル調整、データ分析手法などに関して専門的なサポートを受けました。このご協力により、自社だけでは解決困難な課題に対して、改良の成果を明確に示すことができました。
PROFILE
小川珈琲株式会社
住所:京都市右京区西京極北庄境町75
電話番号:075-313-7333
事業内容:コーヒーの製造および紅茶、コーヒー器具、輸入食品、喫茶材料の卸、販売
WEBサイト:https://www.oc-ogawa.co.jp/