次世代MEMSデバイスのためのFe-Ni合金めっきプロセス(KEEPNEX®)の高度化に関する研究
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- 研究論文
担当者 |
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概要 |
次世代MEMSデバイス開発に適した高い寸法精度と高い熱寸法安定性を有する金属微細構造体を作製するためには,低熱膨張Fe-Ni合金めっきプロセスを活用し,さらにそのプロセスの高度化が必要である。特に,めっきプロセスの連続稼働時に生成されるめっき液中のFe3+は,低熱膨張Fe-Ni合金めっき構造体の脆化を引き起こす可能性があるため,めっき構造体の形成に及ぼすFe3+濃度の影響及びFe3+のモニタリング法とFe3+の低減化技術についての検討を行った。その結果,めっき液中にFe3+/全Feイオン比0.06以上のFe3+を含む場合には,低Fe3+濃度では観察されなかったマイクロクラック等の欠陥が発生した構造体が得られた。Fe3+のモニタリング法を検討するため,フローインジェクションアンペロメトリーを用い,めっき液中のFe3+分析条件を最適化することにより,Fe3+/全Feイオン比0.08までの定量が可能となった。また,Fe3+の低減化技術として,鉄粉還元処理を行うことにより,Fe3+/全Feイオン濃度比が約0.005未満にまで低減化できることが判明した。Fe3+濃度のモニタリング方法並びに低減化方法を本めっきプロセスに適用することにより,めっき液中にFe3+が生成した場合においても,建浴当初と同等の構造体を作製することが可能な低Fe3+濃度に調整することが可能となった。 |
研究期間 |
平成27年4月~平成28年3月 |
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キーワード
- Fe-Ni合金めっき
- インバー電鋳
- 低熱膨張めっき