バッチ式物理発泡成形における二酸化炭素の気泡核生成に及ぼすエポキシ樹脂の架橋点間分子量の影響
- プラスチック
担当者 |
|
---|---|
概要 |
エポキシ樹脂の発泡体は,自動車用途をはじめとする鋼板補強用材料や従来のウレタンパッドに代わるディスプレイ等のガラス研磨パッド材料として実用化されている他,低誘電電子基板材料として期待されている。その性能を最大限引き出すには,その気泡構造や気泡径の制御が重要な因子になると考えられる。本研究では,物理発泡剤として高圧二酸化炭素を用いたエポキシ樹脂のバッチ式昇温発泡成形法において,発泡前のエポキシ樹脂の架橋点間分子量(MC)が,発泡体の気泡構造に与える影響について行った。 異なる分子量の主剤からなるエポキシ樹脂(主剤:ビスフェノールA型エポキシ樹脂,硬化剤:2-エチル-4-メチルイミダゾール)を,二酸化炭素(CO2)を物理発泡剤に用いた昇温発泡法により発泡させた。一方,エポキシ樹脂のMCを,動的粘弾性測定及びアセトン膨潤度測定の結果から推算した。結果,得られた発泡体の気泡構造は球状気泡構造,星型気泡構造,亀裂構造,および無発泡構造の4つのタイプに分類することが出来た。そしてMCがエポキシ樹脂発泡体の気泡構造を決定する因子であることが明らかになった。また,CO2の気泡核生成を可能にするMCのしきい値が存在することが示唆された。すなわち,CO2が気泡核生成するにはエポキシ樹脂の架橋点間距離が,臨界気泡径よりも大きいことが必要であることを示す。この知見に基づいて,MCをこのしきい値以上に保ちつつ,弾性率をできるだけ高くすることにより気泡径の小さなエポキシ樹脂の発泡体を得ることができると考えられる。 |
研究期間 |
平成25年4月~平成26年3月 |
資料ダウンロード
キーワード
- エポキシ樹脂
- 二酸化炭素
- 架橋点間分子量
- 物理発泡剤
- 発泡成形