不純物による金属ナノ粒子のサイズおよび結晶化度の同時制御
- 研究抄録
- 金属
担当者 |
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概要 |
金属ナノ粒子の粒径や結晶性はナノ粒子の特性に大きな影響を及ぼすため、これらを最適化することはナノ粒子の実用化に際して非常に重要である。本研究では、液相還元法により金属Cu ナノ粒子の欠陥(結晶性)を簡便に制御した。Cu と熱力学的に合金化しない不純物を反応浴中に添加することで、析出するCu ナノ粒子の結晶性を低下させることができたが、同時にナノ粒子の析出挙動が変化し、粒径も変化した。このことから、最適なサイズと結晶性を持つナノ粒子を合成するためには、合成条件の適切なコントロールが必要であることが分かった。不純物を含む溶液中でのナノ粒子形成メカニズムを明らかにするために、還元剤の触媒活性やナノ粒子への欠陥導入による酸化還元電位の変化を電気化学的に評価し、合成条件がナノ粒子形成挙動に及ぼす影響について検証した。これに基づき、同様の粒径を有しながら結晶性が異なる2種類のCuナノ粒子を合成できた。本研究で示した結晶性制御のための簡便な材料設計手法および不純物を添加した条件下での析出プロセスの解釈は、Cu以外の金属ナノ粒子の合成においても広く適用可能である。 |
原題 |
Impurity-driven simultaneous size and crystallinity control of metal nanoparticles |
発行年度 |
2024年度発行 |