漆及び植物油の光劣化による構造変化について
- 技術ノート
- 塗装・漆工
担当者 |
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概要 |
文化財の建造物に用いられる漆や植物油の劣化した塗膜の分析精度を向上させるために、促進耐候性試験機を用いて劣化による構造変化について検討を行った。はじめに、FT-IRを用いて測定を行ったところ、耐候性試験前後で、劣化による著しいスペクトルの変化が確認された。一方、Py-GC/MSを用いた測定では、ピーク比の変化は見られたが、クロマトグラムの形状に大きな変化は確認されなかった。それぞれの測定の結果より、劣化反応として、炭化水素鎖の酸化及び分解、ベンゼン環部位の分解が起こっていることが確認された。また劣化した塗膜の分析には、Py-GC/MSのような塗膜の表面から下層を含む塗膜全体を測定する手法が有効であることが見出された。 |
発行年度 |
2023年度発行 |
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キーワード
- 耐候性試験
- 光劣化
- 文化財
- 植物油
- 漆