地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
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研究成果

セルロースナノファイバー強化ポリアミド6の複合化技術,力学的特性及び耐熱性

研究論文 高分子系
担当者 高分子系チーム  仙波 健,伊藤 彰浩
研究フェロー   北川 和男
星光PMC    片岡 弘匡
京都大学     中坪 文明,矢野 浩之
研究開始時期及び
終了時期
令和2年4月~令和3年3月
要旨  二軸押出機を使用して,アセチル(Ac)化パルプとポリアミド6(PA6)を溶融混練することにより複合材料を得た。パルプの主成分であるセルロースの水酸基をAc化することにより,パルプの耐熱性が向上した。さらにセルロースへの疎水性付与及び水素結合を抑制する効果が得られたことで,溶融混練工程において,PA6中でパルプが解繊されることによるセルロースナノファイバー(CNF)化が促進された。Ac基置換度が0.5程度のパルプを10wt%添加し,それがCNF化することにより,非強化PA6の曲げ弾性率2220MPa,曲げ強度91.2MPaから,それぞれ5430MPa,159MPaに向上した。さらに熱膨張係数は,113ppm/Kから19.3ppm/Kに向上した。示差走査熱量分析により,Ac化によりパルプの分散性の向上が確認できた。
まとめ  本研究では,二軸押出機による高性能PA6/CNF複合材料の高効率生産技術の確立を目指した。NBKPのAc化により,混練前のCNF化工程の省略,NBKPの耐熱性,解繊性,PA6との相容性向上により,高レベルの力学的特性及び耐熱性を達成した。DS値0.4~0.6のAc-NBKPをPA6に10wt%添加することにより,曲げ弾性率ではニートPA6の1.7倍,CTE値19.3ppm/Kに到達した。このCTEの値は,アルミニウム合金と同等である。
 本研究の成果を活かし,京都プロセスの一層の高度化が図られ,様々な用途展開が始まっている。今後も継続的に研究開発を進めるとともに,企業のニーズに応じた材料及び成形加工方法をチューニングをすることでCNFの発展,普及に貢献したいと考えている。
研究種別 研究論文
備考

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