バイオ計測プロジェクト
趣旨
プロジェクト代表
植田充美 京都大学教授
いにしえの都のたたずまいを持つ京都は、優雅な伝統と革新的な維新の両面をもつ趣のある町です。伝統的な酒造、織・染め物、食品などを継承し、素材や分析・計測などを開拓する、まさに文化と科学技術、言いかえれば、綿々とつながる伝承と先端的な発見・発明が融合共存した都市です。京都リサーチパーク地域を基盤とするバイオ計測プロジェクトは、まさに、京都を基盤とする産学公の連携により、この文化と技術の融和の結晶を成長させ確固としたものにし、世代を超えて文化を科学的に伝承しながら、バイオ計測技術を発信していく拠点となります。このバイオテクノロジーの最先端計測技術により、匠の技の伝承、食の安全・安心、環境保全と健康増進への道標、青少年の文化・科学への憧れを実現していくことを、世界に先駆けて、地域に根ざした、地域からのボトムアップ拠点の形成をめざします。
プロジェクト概要
我が国の経済成長をけん引する「バイオ産業」の創出に当たり、なくてはならない基盤技術が「計測」です。
バイオ計測プロジェクトは、日本で最古の歴史を誇る醸造・食品業界から,グローバルに展開する分析計測機器業界まで、伝統と革新的な研究が融合共存する京都が取り組んできた「京都バイオシティ構想」を推進するなかで、新たに高度分析計測機器等を導入し、産学公が一体となって基礎研究、実証、商品開発、産業展開(人材育成)まで取り組む「バイオ計測基盤プラットフォーム」を構築します。先進的な計測機器・試薬関連企業には、プロテオーム、メタボロームをはじめとした基盤研究を行う大学とのマッチングをはかり、新規な計測機器・試薬の共同開発、アップデートを進める環境を提供します。そして、伝統的な醸造・食品企業では、この成果であるバイオ計測技術を活用し、製品開発、品質の評価・改良を促進します。
京都を基盤とする産学公の結集は、地域の産業連携による農商工や医工薬連携による新産業創出・振興や技術・製品の高度化、さらに、京都は元より、大阪や神戸等で推進されている創薬や新医療研究開発等に共通するバイオ計測科学技術基盤を支え、バイオ・ライフイノベーションの推進に向かって貢献していきます。