ALL モノ ヒト コト MOVIE
コト

技術的課題を解決するための研鑽と交流の場

2025.03.28

研究会は、伝統産業から先進産業に至るまで、さまざまな技術分野において設立され、長い歴史の中で、現在10の研究会(約600の個人、法人などが会員)が活動されており、京都市産業技術研究所ユーザーズコミュニティ(産技研UC)に団体会員として参画いただいています。産技研は、各研究会の業界の課題解決、企業の技術力向上、人材育成などの自主的な活動を支援するとともに、産技研が保有する研究成果の技術移転を推進しています。また、研究会相互の交流を促進することで、新たなものづくりの価値創造に向けた取組を支援しています。

(写真:SPE日本支部主催、京都合成樹脂研究会協賛による島津製作所の講演・見学会)

会員相互の交流を促進し、異業種間の連携を通じてイノベーションを創出

研究会の設立の背景

研究会の設立は、第二次世界大戦の終結直後にさかのぼります。まず、繊維産業の生産拡大、ひいては日本経済再建を期して1947年に京都染色研究会が設立され、その後、1950年代にかけて伝統から先進に至る産業分野の研究会が次々と設立されました。
こうした背景には、戦後の日本が産業構造を大きく変革し、高度経済成長期を迎える中で、新技術や素材に対する業界の関心が高まったことにあり、そのことに呼応した産技研も当時の業界の要望をくみ取り、体温を感じながら協調していく体制づくりに取り組んだことが、研究会の設立につながったとされています。
研究会の設立にはそれぞれ独自の背景があり、業界の要望や提言に基づいて設立された研究会もあれば、若手や中堅技術者による自主的な勉強会から発展したものも存在します。
京都の地域企業自らが積極的に新たな技術の向上、人材育成に努めてきた研究会の歴史は、研究会はもとより産技研の歴史でもあります。

会員相互の技術研鑽と交流の場

研究会は、それぞれ独自の特色を持った活動を展開しておられますが、全ての研究会に共通するのは、会員相互の技術研鑽と交流を通じて新たな価値を創造することです。
業界の課題に関連する重要な技術についての理解を深めるための「研究例会」や「講演会・講習会」、企業訪問や関連施設の視察を行う「見学会」の開催、さらには会報誌の発行などを通じて、会員にとって有益な技術情報を提供しています。また、産技研の研究成果を業界に技術移転する場としても機能しています。
研究会の事業は、会員(一部の研究会は産技研が事務局を受託)が協力して運営されており、若手会員を中心に構成されたチームや委員会を設置するなど、研究会ごとに様々な工夫を凝らしながら持続可能な発展に向けた運営に努められています。

技術交流

2024年11月に開催した産技研UC「創造フォーラム2024」でのユーザーセッション(技術展示ブース)の場を契機に、京都合成樹脂研究会と鍍秀会の間で新たな交流活動が生まれました。

講演会

2025年2月に開催された京都染色研究会、京染・精練染色研究会、西陣織物研究会の3研究会合同による研究例会(産技研UC協賛)では、情報工学分野の専門家を講師に迎え、AIの最新動向と進化するAIと人の共存について学びました。

業種の垣根を越えた交流と連携強化による新たなものづくりの創造

産技研では、研究会活動による交流の場を拡大するため、かねてより、京都ものづくり協力会(産技研UCの前身の組織)のもとで、複数の研究会による横断的な活動を支援し、研究会相互の交流や異業種連携を促進してきました。
今後も、産技研UCを通じてあらゆる機関との強固な連携を推進し、伝統技術や先進技術の知恵をいかした新たなものづくりの価値創造に向け、研究会の活動を一層支援してまいります。
研究会にご関心のある方は、各研究会の事務局までお問い合わせください。また、新たな研究分野、技術、産業などのテーマについて仲間と研究してみたい方は、産技研までご提案ください。

研究会一覧

2025年1月末現在 (五十音順)

京染・精練染色研究会

京染・精練染色研究会

染色に関連する基礎的な講習会から最新技術動向の紹介、会員間交流、業界と産技研の連携を目的に活動しています。他の研究会との連携も視野に入れて取り組んでいます。
設 立┃2005年 委員長┃山田 容永 氏
会員数┃普通会員78名、賛助会員22社、特別会員13名、準会員2名

京都合成樹脂研究会

京都合成樹脂研究会

合成樹脂・有機材料関連の企業・技術者による異業種交流団体。他学協会とも積極的に連携し、技術力向上と会員間の交流を推進しています。
設 立┃1951年 委員長┃末松 靖子 氏
会員数┃普通会員12社、賛助会員24社、特別会員8名

京都セラミックフォーラム

京都セラミックフォーラム

京都のセラミックス関連業界の振興、セラミックスの製造と応用に関する技術の研究、会員企業の事業発展と技術向上を支援しています。
設 立┃1976年 会長┃西村 嘉浩 氏
会員数┃正会員29名、特別会員6社
.
.

京都先端技術研究会

京都先端技術研究会

機械、金属、化学など異業種の企業が参加。「協創、協働、信頼」を基本に技術面で連携し、『先端技術から競争優位性の創出を』の合言葉のもと、活動しています。
設 立┃1985年 委員長┃中村 道一 氏
会員数┃普通会員16社、準会員3社、特別会員14名、顧問3名

鍍秀会

鍍秀会

若手経営者や技術者が集まり、めっき技術や経営、環境、営業など多角的な講習を行い、業界の発展を目指しています。(※ 京都府鍍金工業組合の青年部)
設 立┃1966年 会長┃和多田 秀亮 氏
会員数┃正会員23名、賛助会員企業14社、顧問4名

京都工芸研究会

京都工芸研究会

各種の工芸分野による異業種交流を目的とした団体。新製品開発事業や他産地見学、会員インタビュー記事連載、SNSによる情報発信などを展開しています。
設 立┃2015年 委員長┃松田 聖 氏
会員数┃普通会員72社、賛助会員1社、特別会員2社

京都酒造工業研究会

京都酒造工業研究会

技術向上と市内酒造業界の発展を願って設立。講演会や講習会の実施、会誌発行、醸造用水分析、試薬分譲など、優良な清酒製造のための活動をしています。
設 立┃1950年 委員長┃大倉 博 氏
会員数┃正会員21社、準会員10社、賛助会員8社、特別会員1名

京都染色研究会

繊維・染色機械・染料薬品メーカーと染色加工企業が会員。研究例会開催や会誌発行を通じた情報交換、産学官連携などによる技術向上を目指しています。
設 立┃1947年 委員長┃浦川 宏 氏
会員数┃賛助会員12社、特別会員15名
.

京都陶磁器研究会

京都陶磁器研究会

京都の陶磁器産業の発展を目指し、会員間の協力で技術研究を進めています。会報発行、専門講座や技術講習会、製品化事業などを行っています。
設 立┃1952年 委員長┃吉村 重生 氏
会員数┃個人会員117名、法人会員9名、特別会員4名

西陣織物研究会

西陣織物研究会

西陣織産地が創造性あふれる魅力的な製品をつくり続けていくために、最新技術の情報提供や業界課題への対応、講習会の実施などに取り組んでいます。
設 立┃1954年 委員長┃山﨑 清一郎 氏
会員数┃普通会員62名、青年会員9名、賛助会員3社、特別会員11名

  • #異業種間の連携
  • #研究会
  • #交流
  • #企業の技術力向上
  • #業界の課題解決
  • #人材育成
  • #ユーザーズコミュニティ
  • #イノベーション

SHARE

  • 工芸の分野の垣根を越える、実験的融合の挑戦|京都工芸研究会
  • 記事一覧

この記事を読んだ方におすすめ

  • 2025.03.28
    工芸の分野の垣根を越える、実験的融合の挑戦|京都工芸研究会
  • 2025.03.28
    会員の声を吸い上げ、「楽しい会」のさらなる発展を目指す|京都合成樹脂研究会
  • 2025.03.28
    会員個々の自主性で広がる可能性とやりがい|鍍秀会
  • 2025.03.28
    京都独自の強みで盛り上げていく新たな未来の酒造り|京都酒造工業研究会

新着記事

  • 2025.03.28
    新産業・新事業創出のためのコミュニティ
  • 2025.03.18
    第2回 ASTEM・産技研支援企業交流会を開催しました!
  • 2024.10.25
    産技研UCキックオフミーティング at 産技研
  • 2024.10.25
    COLUMN 研究の知的探求が教えてくれること
  • 京都市産業技術研究所

    • facebook
    • instagram
    • youtube
  • 京都酵母ブランド化計画

    • facebook
    • twitter
地方独立行政法人 京都市産業技術研究所

本メディアに関するお問い合わせは、京都市産業技術研究所までお願いいたします。

© 2025 KYOTO MUNICIPAL INSTITUTE OF INDUSTRIAL TECHNOLOGY AND CULTURE All Rights Reserved.

公式サイト
ALL モノ ヒト コト MOVIE