高度な抗体製造技術による新型コロナウイルス検査キットの製品化
~自社の開発技術と産技研の分析技術の連携で社会課題解決に貢献~
株式会社ビークル × バイオ分野
- 複数の異なる株に対応可能な新型コロナウイルス検査キットを開発。
- 開発された試薬は、研究機関で新型コロナウイルス治療薬開発等に活用。
自社技術でコロナ感染拡大対策に貢献したい!
株式会社ビークルは B 型肝炎ウイルスのワクチン技術や研究用試薬の開発に取り組んできたベンチャー企業。「新型コロナウイルスが感染拡大している今、一人でも多く感染症から救えるように自社の技術で貢献したい。」長年の研究で培った高度な抗体製造技術を活かし、新型コロナウイルスの検出を目的とした異なる株ごとの複数の抗原タンパク質を自社で開発することに成功。これをもとに検査キットの開発に取り組みました。
高度な機器と産技研の分析技術が製品化を後押し
検査キットの製品化において、同社の課題は、開発した抗原タンパク質のアミノ酸配列情報の分析が自社内ではできない点でした。そこで京都市産業技術研究所に分析を依頼し所内にあるアミノ酸同定機器(ペプチドシーケンサー)を活用。
※ペプチドシーケンサー…タンパク質を構成するアミノ酸配列を確認できる装置。質量分析での数値情報に基づくタンパク質同定手法とは異なり、アミノ酸をより精度が高い手法で N 末端から確実に決定することができる。関西地域では同装置を保有する機関は非常に少ない。
さらに産技研では清酒酵母の研究開発を進める中でアミノ酸配列分析のノウハウが蓄積されています。産技研研究員が持つノウハウと高精度な機器を駆使 し てアミノ酸配列の分析・解析作業を行い、つい開発された試薬は、研究機関で新型コロナウイルス治療薬の開発等に活用されています。同社の高度な開発技術と産技研の地道かつ高い精度の分析作業の連携により、新型コロナウイルス研究へ貢献することができました。
・㈱ビークルからのひとこと
開発した抗原を検査薬・ワクチン等の開発に繋げるには、精度の高い機器による分析・解析が欠かせません。しかし我々のようなベンチャー企業にとっては、測定機器を購入するのはもちろん、外部へ検査に出すと費用は高額になるなど大変負担の大きい問題です。その様な中、産技研では経験ある研究員の方が丁寧に分析していただけるので、大変心強くありがたいです。
・担当研究員からひとこと
タンパク質の合成は非常に高度なスキルと経験が必要ですが、㈱ビークル様は非常に技術力の高い独自の合成技術を確立されております。社会課題として大きなテーマである新型コロナウイルス検出用の抗原開発で、配列確認というタンパク質合成が正確になされているかという重要な分析部分について、できる限りの分析支援をさせていただきました。
PROFILE
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