
綿ガーゼ生地の「風合い」の可視化による付加価値向上
依頼試験・分析による材料評価
大東寝具工業株式会社
代表取締役 大東 利幸 氏
――産技研を活用したきっかけは。
産技研を知ったのは、オスカー認定※の企業の会合で実施された見学でのことでした。産技研の方との会話を通じて、弊社の「京和晒綿紗」(きょうわざらしめんしゃ)のガーゼとしての性能を可視化できないかと相談したことが利用のきっかけです。最初は漠然とした相談でしたが、産技研の方々は私たちの要望を丁寧に汲み取ってくれました。
――今回の技術的課題は。
「京和晒綿紗」は温度をかけず時間をかけて精練する和晒で加工した綿ガーゼ生地の製品で、「洗うほどに柔らかくなる」「肌触りが良い」という特長があります。しかし、これらの特長を裏付ける客観的なデータがなかったため、その可視化が技術的な課題でした。
――産技研を活用して解決できたことは。
産技研での電子顕微鏡観察により、洋晒と和晒の繊維構造を可視化し比較できました。また、風合い測定をしてもらうことで、感覚的に伝えていた風合いの変化を信頼性の高いデータで説明できるようになり、顧客の理解が深まり、私たちも自信を持って製品をお勧めできるようになりました。

――産技研を活用するメリットは。
製品開発や差別化においては、担当者の経験則で感じている強みを、どう“見える化”して顧客に伝えられるかが鍵になります。産技研はそうした感覚的価値を、客観的なデータや画像で解明してくれる心強い存在です。具体的な分析方法がわからなくても、まずは一度相談してみることをお勧めします。
――貴社の今後の展開は。
これからはOEMや下請け業務だけではなく、対等なコラボレーションによる協業でのものづくりも大切にしていきたいです。私たちは世界中の人々に快適な眠りを届け、社会に貢献し続ける企業であり続けたいと考えています。
※オスカー認定:(公財)京都高度技術研究所(ASTEM)による、優れた事業計画により積極的に経営革新に取り組む中小企業を認定する制度
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