
会員個々の自主性で広がる可能性とやりがい|鍍秀会
鍍秀会(としゅうかい)は、京都府内において電気めっき加工関連の事業を行う企業で構成する京都府鍍金(めっき)工業組合の青年部の名称であり、“鍍金に秀でる会”をその由来としています。めっき及び関連技術など知識の向上を図り、会員企業の発展を目的とし、会の運営とともに勉強会やセミナーを中心とした活動や様々な交流イベントなど事業企画についても会員が自主的に行っています。
(写真:技術講習会)
鍍秀会の成り立ち、現在の活動、そして魅力
副会長 上田 大輔 氏(上田鍍金株式会社)、野村 豊 氏(有限会社白洋金属工業所)/小林 亜佑子 氏(株式会社小林工業所)

ーー 鍍秀会の成り立ちについて教えてください。
第二次世界大戦後のしばらくは、各業界で産業技術の改革が急速に進んだ時代だったようです。めっき業界でも今までの「勘、コツ、経験、度胸」に頼った技術では対応できなくなったため、めっき技術に関する科学的な知識を持った技術者の育成を目的として、めっきを営む経営者有志により「京鍍会(きょうとかい)」が発足、当時急速に進んできためっき技術を習得するための勉強会を始めたのです。
しかしながら、めっき業界は予想以上の早さで変化していたため、将来の業界の発展のためには、技術の勉強だけではなく、若手後継者を育成することも必要だ、という声が出始めました。それを受けて、1966年に京鍍会の青年会的な役割として発足されたのが「鍍秀会」です。それ以降、長きにわたり活動を続け、2026年には60周年を迎えます。
ーー 鍍秀会の現在の活動と特徴をお聞かせください。
勉強会や工場見学会など、平均して月に1回は何らかの活動を行っています。勉強会は産技研と共催で行う場合もあり、めっきの基礎的な知識を中心に、めっき技術に関連する最先端の設備や薬品の情報、大学で研究されている先端技術など、勉強会のテーマは幅広いです。10年ほど前からは他府県のめっき業界の若手技術者との交流も広がり、京都、大阪、兵庫の三府県合同勉強会や、全国のめっき組合の青年部が集まる100名規模の交流会なども行われています。
また、会員企業間の技術連携も積極的に推進しており、各社の得意分野を踏まえた相互の企業紹介や情報交換を通じて、新たなビジネスチャンスを創出しています。このような柔軟で開かれた運営が、鍍秀会の大きな特徴となっています。
ーー 会員主体の運営がもたらすメリットはなんですか。
鍍秀会の運営は、会員の自主性を重視しています。役員や会長を務めることで、組織運営の経験を積むとともに、業界の最新情報にアクセスできる機会を得られます。勉強会の企画や講師選定など、会員自らが主体的に関わることで、専門知識やコミュニケーション能力を自然と磨くことができます。
これらの活動を通じて、新たな人脈を形成し、自身のスキルアップや所属企業の発展に寄与する経験を積むことができます。鍍秀会に深く関われることによって「楽しい」と思えるのが何よりも一番の魅力ですね。これからも「会員になってよかった」、「役員や会長をやってよかった」と感じることができる会でありたいと思っています。
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