ヒト
COLUMN 研究の知的探求が教えてくれること
自然豊かな場所で生まれ育ったということもあり、身近な生き物に興味を持っていた幼少期でしたが、小学生の頃、アメリカがスペースシャトルを飛ばしたニュースは印象に残っています。宇宙に行って帰ってくる、そこにファインセラミックが使われていたんです。これが「ファインセラミックス」という言葉を知った最初だったかもしれません。
学生の頃は、セラミックスと同じ無機材料ではあるものの、性質がまったく違うガラスを研究していました。産技研に入りたての頃、びんガラスのリサイクルに関するプロジェクトを担当したのですが、セラミックス産業が盛んである京都の特色に合ったテーマとして、ガラスとセラミックスを融合させた「ガラスセラミックス」の開発に取り組みました。これをきっかけに、ファインセラミックスが専門となって今に至ります。
研究を通して物の本質を考え、知ることは楽しいです。
物の性質が変わったら、その根拠を見出すことで新しい材料開発に役立てられる。若いときのその経験が、今の研究以外の仕事にもいきているように思います。
また、理系か文系で線引きしがちですが、どちらも大事で不可分ですよね。日常の相談業務でも社会が分かっていないと、的確なアドバイスは難しい。産技研の先輩に、感性をうまくいかしてサイエンスの仕事をしていた方がおられました。私もそんな風に守備範囲を広く取って、良い仕事をしていきたいです。
PROFILE
永高石 大吾 (たかいし たいご)
研究室所属ユニットリーダー
入所:2001年
専門分野:ファインセラミックス、ガラス、窯業技術
研究:セラミックスやガラスの製造技術及び分析技術と応用技術の開発
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