つながりから、拡がりが生まれる│今河織物株式会社
平成25年度に始まった「知恵創出”目の輝き”認定制度」は、産技研が共同研究などの技術支援を行い、「伝統産業と先進技術の融合」や「新たな気づき」といった知恵の創出により、製品化・事業化が実現した企業を認定しています。創設から10年の節目を迎え、認定企業は延べ43社となりました。産技研では認定企業に対し、継続的に技術的アドバイスや企業PRなどの支援を行っています。今回は認定企業3社を訪問し、現在の事業における挑戦や社外とのつながり、そして今後の拡がりについてお話を伺いました。
代表取締役 今河 宗一郎 氏
「ちょっとよそにない」ものを
――現在、力を入れている製品や技術は?
新しい試みとして、NFTの事業者と協力して自社の帯をデザインしたケン玉をNFT ※付きで製作しました。西陣織の特徴は「多様性」です。織物以外に、技術、デザイン等、西陣織には様々な要素があります。織物は手に触れることができますが、技術やデザインはそうではありません。今まで出会う事のなかった他分野の方とも連携して、新しい価値の生み出し方を模索しています。
これまで西陣ではつくってこなかった、彩度の高い鮮やかな色糸の試作にも挑戦しています。西陣織の製造元として、伝統を守りながらも、お客様のニーズに沿った織物製品や織物意匠の活用を通して、選択肢を増やしていく、その勇気が必要だと感じています。
――同業他社との連携にも積極的だと伺いました。
西陣の織元3社で、「N180(ニシジン・ワンエイティ)」というグループを結成し、「モノづくりの力で業界の閉塞感を180°ひっくり返す」をテーマに活動しています。
イベントを開催したり、SNSを通じて情報発信をしていますが、特にYouTube ではコロナ禍において着物を着る機会が減った方に対して、着物を着ていなくても「着物を楽しむ時間」を提供できたと思っています。これからは新製品のサンプルをお客様に見ていただいて意見をもらい、より良いモノづくりができればと考えています。「ちょっとよそにない」ものを提供する会社でありたいです。
※NFTとは…偽造不可能な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ
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