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高度な印刷技術でユニバーサルデザインを実現 触地図ガイドブックの開発

2023.09.06

~触れて聞いて視覚障がいの方も介助する方も楽しめる触地図をデザイン~

大平印刷株式会社 × デザイン分野

  • 主に視覚障がい者を対象とするユニバーサルツーリズム支援を目指し、UV オフセット厚盛印刷により指先の触覚で敷地や施設を把握できる “触る地図” 。
  • 専用タッチペンで紙面に直接触れた箇所の音声解説を聞くことができる。
  • カラーユニバーサルデザインにも対応し、多言語対応への発展も可能。

UVオフセット厚盛印刷と音声タッチペンの組み合わせで新価値創造

 「世界的な観光都市である京都で、視覚障がい者も観光を楽しんでいただけるユニバーサルツーリズム環境をつくりたい。」大平印刷ではこの思いを実現するツールを作るために、UVオフセット厚盛印刷技術と、微細なドットコードを読み取ることで音声ガイドを再生できる音声タッチペン技術の二つを活用できないかと考えていました。
 平成 29 年に介護食器の開発など福祉分野のデザインを手掛けていた京都市産業技術研究所の研究員に相談。二つの技術の組み合わせで新たな魅力を訴求する触地図ガイドブックを企画し、「元離宮二条城版」と「京都府立植物園版」を開発しました。

ユニバーサルデザインの視点で構成

 地図のデザインは主に産技研研究員が担当。色覚障がいや弱視者にも認識しやすい色使いや凸凹のテクスチュアにより「施設や順路」などを立体的に表現しました。タッチペン音声も工夫し、視覚以外の要素を盛り込み、介助者も一緒に楽しめる内容にしています。開発段階では視覚障がい者による実証実験や、デザイナーがアイマスクをして体験した知見をデザインに反映させ繰り返し改良しました。
 こうして視覚障がい者が介助者とともに自発的に観光を楽しむことができる触地図ガイドブックが完成したのです。

今後の取組

 現在は、色使いやテクスチャそして音声ガイド付きという特徴を活かし、点字を使わない方や弱視者の方、小学生の課外学習などでも広く活用されています。

常務執行役員 杉本 豊明 氏/代表取締役社長 水野 整 氏/竹浪 祐介 主席研究員

 ・大平印刷㈱からのひとこと

弊社やの特徴あるシーズの活用に、産技研のサポートをいただいたことで、思い描いたことを形にすることができうれしく思います。今回の経験を活かし、今後は京都市内のほかの観光地案内への展開や、外国人観光客への多言語対応など、活用の場を広げていきたいと考えています。

 ・担当研究員からひとこと

京都において、全ての人を歓迎できるユニバーサルツーリズムの支援ができたことは、観光都市のあるべき姿を示すデザインとしてやりがいを感じて取り組めました。この事例がさらに発展して、様々な場面でユニバーサルツーリズムの視点が広がれば幸いです。

PROFILE

大平印刷株式会社

所在地:京都市伏見区舞台町1番地
URL:https://www.taihei.co.jp/

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