
職人紹介
株式会社ヤマダエレホン金属 山田 智世 氏
「もったいない」が原点 伝統技術の新しい形を目指して
御社の事業内容と強みを教えてください。
社寺仏閣の美術工芸品や建築金具などの修復、復元や装飾めっき(美観を重視した表面処理)などを中心に行っています。デザインの段階から、金属加工、表面処理までを自社で一貫して行える点が当社の強みです。また、電気の力で金属を型に付着させて(電気めっき技術を応用して)精緻な複製を作る「電気鋳造(電鋳)」という技術を持っていますが、特に環境や人体に配慮した「鉛フリー」の型を使用している点は、他社にはない大きな特徴です。
この仕事についたきっかけは?
学生の頃から、両親の仕事を時々手伝ってはいましたが、家業を継ぐ事は考えていませんでした。とはいえ、ものづくりは好きで、大学時代は、自分でサイトを立ち上げ、自作のアクセサリーを販売したりもしていました。大学卒業後は、ヨーロッパへの遊学を目指していましたが、コロナ禍で断念せざるを得なくなり、結婚・出産のタイミングも重なったことから、京都へ戻り、父の会社に入社しました。入社を決めた一番の理由は、シンプルに「ここにしかない技術が無くなるのはもったいない」と感じたからです。電気鋳造に加え、高度な加工技術や柔軟な発想…もし知る人がいなくなれば、その技術も発想も一緒に消えてしまう。それが単純に惜しいと思いました。
今どういったお仕事をされていますか?
主に、古い金具の修復や、欠損したパーツの復元など「加工」を行っています。大学では仏教を専攻しており、技術的な専門知識はゼロからのスタートでした。特に入社したての頃は日々勉強でしたが、新しいことを知ることは楽しいですし、大学で学んだ仏教の知識が、仏具に使われる装飾や柄の意味を理解することなどに役立っています。

今後のビジョンや、新しく取り組みたいことはありますか?
仏壇のない家庭も増えている今、伝統技術をそのままの形だけでなく、現代の生活に合ったものへ変化させていきたいです。 具体的には、日本の伝統的な仏具の装飾などをいかしたアクセサリーや、インテリア雑貨の開発を考えており、弊社公式サイト掲載のスタッフブログでの発信も兼ねて、金属の魅力を楽しめるようなアクセサリーなどを試作しています。今後、ECサイトを立ち上げ、一般のお客様や海外の方へ、ストーリーも含めて直接商品を届けることも目指しています。また、同世代のものづくり関連の方とつながる機会が多くないため、今後は横のつながりも増やして、アイデアの幅を広げていきたいです。

今後、目指す職人像を教えてください。
周りを見ていると、加工の技術だけでなく、「これであかんかったらこうしよう」と考えることができる「引き出し」の多さや発想の柔軟さに驚かされます。私はまだ頭が固い部分があるので、色々な可能性を考えられるようになりたいです。 古い技術を守るだけでなく、そこに新しい感性をミックスして、技術を次の世代へ残していけるようなものづくりをしていきたいですね。
PROFILE
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