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「技術」とともに、「人」がつながる
――産技研UC企画委員会の2年間

2026.04.10

「技術」とともに、「人」がつながる――産技研UC企画委員会の2年間

京都市産業技術研究所が、地域のものづくり企業や大学、支援機関を繋ぐ新たなプラットフォームとして設立した「京都市産技研UC(ユーザーズコミュニティ)」。その活動のエンジンを担っているのが、会員企業の若手技術者や経営者を中心に構成される「企画委員会」です。 令和6年度の本格始動から現在まで、企画委員会がどのような想いで活動し、どのようなつながりを生み出してきたのか、その歩みを振り返ります。

「互いを知る」ことから始まったコミュニティ設計

産技研には分野ごとの研究会が存在する一方で、「分野外の業界は見えにくい」という課題がありました。加えて、「社内に同年代の技術者がいない」「自社の技術が他分野でどう役立つか、客観的な意見がほしい」といった声もあり、委員それぞれが課題意識を持っていました。

はじめの数回にわたり、委員会では、「UCの特色・メリットとは何か」を議論しました。その中で一つのテーマとして挙がったのが、「互いを知る」という視点です。

「異なる分野を知ることが、新たな可能性につながる。」という前提に立ち、単なる情報交換にとどまらず、分野や立場を越えて対話を重ねることで、互いの課題に向き合いながら、新しいアイデアや解決策をともに探していく関係性を築くことが、コミュニティの価値として位置づけられました。

こうした背景のもと、企画委員会では、単に事業に参加するという受け身の関わり方ではなく、会員自らが「今、自分たちが本当に必要としている場」を企画・運営していく方向へと展開していきました。

あわせて、企業見学をし、その場で委員会を実施するなど、関係性を深める取り組みも進めてきました。

展示スペースにて、伝統的な織物や着物が飾られる中、床に置かれた見本帳を屈んで熱心に確認する2名の男性。

産技研UC企画委員の活動の考え方

  • 率直な意見を交わし合う対話の重視
  • 「伝統」と「先進」が共存する京都の強みを改めて知る
  • 専門分野の壁を越えた「横のつながり」の創出

「産技研UC創造フォーラム」による実践と対話

委員会の議論を具体的な形として提示したのが、令和6年及び7年11月に開催された「産技研UC創造フォーラム」です。

企画委員会が中心となって実施したのは、単なる成果発表ではなく、同じ課題意識を持つ者同士が語り合う「若手ダイアログ」(令和6年度実施 )です。マルチマテリアルや3D設計といった具体的なテーマを掲げることで、現場目線での濃密な情報交換を行いました。

この場をきっかけに、分野を越えた技術の連携に関する具体的な相談へと発展する場面も生まれました。

若手が参加しやすい「入り口」の設計:体験型ワークショップ

若手技術者にとっては、異業種交流会という名目だけでは参加の位置づけが明確になりにくく、結果として参加のハードルが高くなるという課題がありました。そこで、皆で発案した催しが、異業種技術を学ぶ講座形式として開催した「産技研UCワークショップ」です。

2025年度から新たに実施し、計3回実施された異業種の技術体験ワークショップでは、「学ぶ」という共通体験を通じて交流が生まれる仕掛けを作りました。

実験室のような施設で、白衣や作業着を着たスタッフがビーカーや装置を使い、見学者に囲まれながら作業や説明を行う様子。
  • 第1回:めっき技術を学ぼう!(2025.07.22)
  • 第2回:染色に触れてみよう!(2025.09.30)
  • 第3回:日本酒の科学を学ぼう!(2026.02.24)

実際に技術を体験したことにより、自社技術の新たな展開に向けた具体的な検討を進める会員も見られました。

つながりを、次の実装へ

産技研UC企画委員会の2年間は、「技術」と「人」をともに捉えながら関係性を育ててきた歩みでした。

ワークショップやフォーラムを通じて生まれたつながりは、単なる交流にとどまらず、分野を越えた技術の連携や具体的な相談が生まれる基盤となりつつあります。

令和8年度以降は企画委員も新たに入れ替わり、さらに多様な視点が加わる予定です。

こうして生まれた「つながり」を、いかに具体的な連携や実務へと展開していくかが、今後の重要な視点となります。産技研UC企画委員会の取り組みは、これからその実装段階に入っていきます。

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