
「見る」から始まる、持続可能なものづくりへの第一歩
評価技術講習会 -見て学ぶ材料分析の基礎-
「評価技術」とは、製品の品質や性能、信頼性などを様々な試験や分析によって評価することで、製品の品質を管理し、クレーム対応や製品開発に展開する技術です。製造分野においては、ものづくり技術の底上げを図るとともに、付加価値や企業競争力を高めることが求められていることから「評価技術」の重要性がますます高まっています。こうしたニーズに対応するため、産技研では、地域企業の学びの場として「評価技術講習会」を企画、開催しています。この取組により、新素材・新製品の開発はもとより、既存素材の効率的な活用による持続的なものづくりにつなげています。
講習会のコンセプト
『評価技術講習会 -見て学ぶ材料分析の基礎-』は、産学官連携拠点である京都バイオ計測センターと連携し、地域企業の技術者や大学研究者等が材料分析の基礎を体系的に学べる講習会として令和4年度から開催しています。
令和7年度は「材料組成分析」「光学特性評価」「分離・微量分析」の3シリーズで、産技研が保有する高度な分析機器を活用した分析方法をテーマとし年10回の開催を予定しています。産技研研究員などが、評価技術の原理から、「試料準備」や「測定データの見方」などの基礎的な事例、デモ測定を交えた分析方法まで分かりやすく解説、講義と実習により「見て学ぶ」ことができる実践的な講習会です。
評価技術講習会のPOINT
- 材料分析に関する測定概要、前処理及び測定法などについて、基礎から学ぶことができます。
- 「ステンレスなのに錆びるのが早い」、「素材の色合いを一定にしたい」、「自社製部品の耐食性を確認したい」といった課題の解決の糸口を探ることができます。
- 評価技術を学び課題解決に活用することで、自社のものづくり技術力と付加価値の向上につながります。
- 産技研技術の利活用の契機となり、自社の新たなものづくりへの第一歩につなげていただけます。
令和7年度 評価技術講習会 開催予定
回 | 日時 | シリーズ | 講義及び実習 | |
---|---|---|---|---|
1 | 令和7年6月25日 | 材料組成 | 走査電子顕微鏡観察 | 表面観察、元素分析 |
2 | 7月23日 | 蛍光X線分析法 | 各種材料の無機成分分析(Fe、Niなど) | |
3 | 8月 | X線回折法 | 各種材料の結晶構造測定 | |
4 | 9月 | フーリエ変換赤外分光分析法 | 有機材料(ポリプロピレン、ナイロンなど)判別 | |
5 | 10月 | 光学特性 | 分光測色測定 | 染色物の色相、色彩、明度の測定 |
6 | 11月 | 蛍光分光測定 | 蛍光物質の励起および蛍光スペクトル測定 | |
7 | 12月 | 紫外可視分光測定 | 紫外~近赤外領域の波長光の透過/反射率測定 | |
8 | 令和8年1月 | 分離 | ガスクロマトグラフィー質量分析法 | 有機化合物の測定 |
9 | 2月 | イオンクロマトグラフィー | 水溶液中の陰イオン成分の測定 | |
10 | 3月 | ICP発光分析法、ICP質量分析法 | 水溶液中の微量金属成分の測定 |
利用者の声
- 実際の事例を交えた説明が分かりやすく、非常に参考になった。
- 初めて学ぶ内容だったが、基礎から応用まで体系的に理解できた。
- 実習を通じて評価方法を学べたことで、現場での活用イメージが持てた。
- 最新の評価技術についても触れていただき、業界の動向を知る良い機会になった。
- 講師の方の経験談や他の技術分野との関連についても、さらに聞いてみたかった。
- 初めて参加したが、非常に分かりやすく実践的な内容で勉強になった。
- 資料が充実しており、後で復習しやすい点が良かった。
- 今後もこのような講習会を定期的に開催してほしい。
- 他の評価技術についても学べる機会があれば嬉しい。
令和6年度 ご利用者満足度アンケート
アンケート回答者数179名(全参加者数259名)




