■事業概要
京都市産技研と大阪市立大学が共同開発した,バナナのような甘い果実の香りを生成する清酒酵母「京の華」を用い,平成22年から純米酒「月の桂・旭4号」,平成29年から「物集女」を製造・販売しています。今回新たに,「京の華」と,京都産米「京の輝き」及び伏見の名水を用いて,大阪市立大学オリジナル純米吟醸酒「月の桂」及び久御山町町制施行65周年記念の「夢酒くみやま」を開発しました。
■京都市産技研との関わり
清酒酵母「京の華」を使用した清酒製造に関する技術指導
大阪市立大学オリジナル純米酒の開発・販売において,同大学と増田德兵衞商店とのマッチング
■成果物と今後の事業展開等
京都の米と京都の地下水,京都の清酒酵母にこだわり,高付加価値製品を今後も開発していきます。
京都・伏見というブランドを世界に発信し,その地域特性がより際立つように,和食に限らず世界中の食と合わせられる「日本酒」の開発を活発に進めます。
<株式会社増田德兵衞商店 コメント> | |
新酵母開発には時間がかかる,それ以上に根気が必要である。 故坂口謹一郎博士は,月の桂に寄せて「科学は情熱にほかならず」と書いた色紙が,弊社ラボの額に納まっている。 この度京都のオリジナル酵母を,京都市産技研と大阪市立大学が開発され,初めての酒が搾りあがりました。「京の華」酵母No.87 HANAですから,87番にするという洒落を表現しています。月の桂で復活させた京都の食米「旭4号」を契約栽培し仕込んだ逸品です。 その後,京都市産技研がもう一種類の酵母も開発。「京の恋」酵母No.51 KOIで51番と命名しました。新たに京都産山田錦を使い,「京の華」「京の恋」のそれぞれで仕込み,搾ってからアッサンブラージュ(ワインで言う,「混ぜて組み立てる」というイメージ)をし,好評を得ています。 この京都オリジナル酵母や京都府産米を使い,幅広く世界の料理に合う,京都発のこだわりを醸し出したいと思います。 |
![]() 代表取締役社長 増田德兵衞 氏 |
※産技研NEWS「ちえのわ」No.27(2021.3)より抜粋。