■事業概要
金属材料の価格高騰や環境への配慮に起因する金属材料のリユースに係るニーズの高まりに対し,金属材料の表面をコーティングしている硬質皮膜を,従来品よりも短時間で除膜できる除膜液を開発しました。開発製品は,母材金属を傷めずに除膜でき,室温での除膜が可能(除膜時の加温が不要),毒物・劇物及び危険物に該当しないことから,薬液の保管・管理が容易という優れた特徴があります。
■京都市産技研との関わり
・金属材料組成に含まれる純金属の溶解電位データを蓄積し,皮膜成分のみを溶解させる浸漬液の組成を検証することで,除膜時に母材金属の腐食を最小限にする防食技術を確立
・トレードオフとなる,産技研の防食技術と佐々木化学薬品株式会社の除膜技術を組み合わせながら,最適な除膜時間となる除膜液組成を設計
■成果物と今後の事業展開等
切削工具や金型を製造する金属材料メーカーや硬質皮膜を被覆するコーティングメーカーを中心に,幅広い業種への事業展開に取り組みます。
<佐々木化学薬品株式会社 コメント>
![]() 代表取締役 佐々木 智一 氏 |
当社は創業より技術の革新を続け,お客様と共に成長してきました。近年は環境面に配慮した薬品開発に注力しています。その中で誕生したクロム系硬質皮膜用除膜液はお客様の金属材料リユース実現の要望から京都市産業技術研究所と共同開発しました。これからは新しい挑戦によって世の中の社会的課題の解決がより一層望まれています。企業と京都市産業技術研究所の連携により,素晴らしい成果が誕生することを期待しております。
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※産技研NEWS「ちえのわ」No.25(2020.10)より抜粋。