地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
  • アクセス
  • お問い合わせ
  • 075-326-6100
文字サイズ

活用事例:独創的な意匠を備えた片側紗風通織物の開発と商品化

独創的な意匠を備えた片側紗風通織物の開発と商品化

今河織物株式会社/京都市産技研 製織システムチーム

■事業概要
 織物の製織に広く普及しているメカジャカード(たて糸を柄に応じて引き上げる織機の装置)では,一度に操作できるたて糸の数に制限があるため,新規織物の開発の課題となっていました。そこで,既存のメカジャカードを用いて機装置を改良することによりこの課題を解決し,これまでは製織が難しかった,奥行のある織組織で深みのある意匠を表現した片側紗風通織物(縫取り紋を有する平織と紋紗の風通組織)を製織することができる技術を開発しました。

織物写真

 

■京都市産技研との関わり
・機装置の高度化に対する技術支援
・多様な紋表現を実現するための織物設計データ作成支援
・片側紗風通織物の組織検討,性能評価

■成果物と今後の事業展開等
・SNS等を通じて新規商品の情報を発信していく。
・開発した意匠性の高い製織技術を応用し,自社製品の高度化に利用していく。

 

<今河織物株式会社 コメント>

今河織物株式会社
代表取締役
今河 宗一郎 氏
 当社は創業よりお洒落を楽しむための着物作りを続けてきました。お出掛けを楽しむためにデザインだけでなく風合いにもこだわって製作しています。現代のニーズに応えるべく新製品の開発を行った際には,京都市産技研のご協力により完成に至ることができました。
 これからの伝統産業は新たな挑戦だけでなく,技術の存続もテーマになります。企業と京都市産技研の連携にこれからも素晴らしい成果が生まれることを期待しております。
 
 
※産技研NEWS「ちえのわ」No.24(2020.6)より抜粋。