地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
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活用事例:和紙糸を使用した織物製品の開発

和紙糸を使用した織物製品の開発

株式会社辻󠄀商店/製織システムチーム

■事業概要
 和紙の需要低迷に対し,和紙の新たな展開を模索する中で,京都市産技研が持つ普通糸用の撚糸機と,これまで蓄積してきた撚糸技術に関するノウハウを活用し,多種の織物用途に使用できる和紙糸の開発を試みました。和紙の裁断幅と撚糸条件を調整することにより,種々の強度を有する和紙糸の作製に成功し,帽子や懐紙入れ等,多種の織物製品の開発を進めています。

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■産業技術研究所との関わり
・京都市産技研が蓄積した撚糸技術を用いた加撚和紙糸に関する技術支援
・和紙糸撚糸のための撚糸機部品の最適化
・撚糸条件の検討と各種データ測定
・撚糸条件が引張強度に及ぼす影響の検証

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■成果と事業展開等
・和紙糸で製織した織物(紙布)を用いた帽子や懐紙入れ,アクセサリーを製品化
・和紙糸の強度や太細を調整できるため,新たな製品に合わせた和紙糸を作製し,多種多様な商品に展開するとともに,糸や紙布などの素材としての販売も予定

 

 <株式会社辻󠄀商店 コメント>

株式会社辻󠄀商店
代表取締役専務
辻󠄀 亜月子 氏
 紙糸と紙布の開発に着手してから,6年ほど経ちました。糸や織物についての知識がほとんどないところから始めて今日まで事業を継続できたのは,様々な方のご協力があったからと感謝しています。
 弊社は創業以来,紙を扱う仕事をしてきました。環境に優しい素材として紙の良さが見直されている昨今,地球環境に貢献した商品づくりを続けていくことを,企業としての大きな目標にしたいと思っています。
 
 
※産技研NEWS「ちえのわ」No.22(2019.12)より抜粋。