■事業概要
清酒に含まれる香気成分のジアセチルは「つわり香」として嫌われており,品質管理のための定量的な分析が必要とされていました。戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)「世界市場を開拓するSake・大吟醸生産システムの革新」(平成25~27年度)で,清酒製造の高度化のために清酒中の微量成分分析について研究開発を行った成果として,ジアセチルを簡便に定量分析するキットを開発・製品化しました。
■産業技術研究所との関わり
・「世界市場を開拓するSake・大吟醸生産システムの革新」(平成25~27年度サポイン事業)へ参画し,純米大吟醸製造のためのSOP(Standard Operating Procedures)の開発に寄与
・発酵工程の高度化・生産性向上のための低コスト分析技術の開発
・販路開拓のためのジアセチル分析キットアプリケーションノートの作成支援
■成果物と今後の事業展開
・ジアセチル分析キットについては,清酒以外の応用例を増やし販路の開拓に努める。
・清酒醸造工程管理のための,有機酸(リンゴ酸,コハク酸)分析キットの開発を進める。
<信和化工株式会社 コメント>
![]() 代表取締役 和田 啓男 氏 |
医療の進歩,新エネルギーの開発,環境負担の軽減など,私たちを取り巻く状況は目まぐるしく変わり続けており,そして同時に発生する様々な課題の解決に向けて,分析化学の分野でも一層の迅速性と正確性が求められています。当社は昭和34年に現在の地にて創業し,その当初から化学分析におけるお客様の様々なニーズに応え続けてきました。これからも長年にわたって培った知識とノウハウを活かし,お客様の分析をサポートする製品を創りつづけていきたいと考えています。 |
※産技研NEWS「ちえのわ」No.21(2019.9)より抜粋。