■事業概要
シリカモノリスは,優れたオイル吸収性能と吸収したオイルを素早く蒸散して長時間・高濃度で徐放する性能があり,さらにオイルを吸収すると白色不透明な固体から透明な固体へ変容する知見を得ていました。これらの特性に着目し,京都市産技研の持つプロダクトデザイン,切削加工技術,伝統工芸技術の支援によりアロマディフューザー(PorousQuarz®)の据置型を商品化しました。
■産業技術研究所との関わり
・精密切削加工の最適化によるシリカモノリス素材の造形手法を検討
・平成27年度京都知恵産業支援共同事業においてシリカモノリスの特性をいかした据置型アロマディフューザーのデザインを開発
・シリカモノリス素材の薄い円盤(パレッ卜)に直接絵付けできる絵具を開発
■成果物と今後の事業展開
・パレッ卜の耐衝撃性を向上させた吊り下げタイプのディフューザー「PQ breeze」を平成30年6月に発売。より一層の販路拡大を目指す。
・モノリス関連では,平成27~29年度サポイン事業において,シリカモノリスの革新的粒状化技術を用いた汎用クロマトグラフィー精製カラムの開発に成功。当技術を活用し,ペプチド・核酸など幅広い化合物の精製に向けて,高純度化・時間短縮・コスト削減を実現するカラム「DualPoreTM ODSシリーズ」が上市された。また,平成30年1月には製品販売を目的とした(株)ディーピーエスを設立。「高性能メタルスカベンジャー」や従来の3分の1の大きさで同等分離性能を発揮する「逆相固相抽出オープンカラム」など商品開発を行い,強力に営業活動を行っている。
<株式会社エスエヌジー コメント>
![]() 代表取締役社長 白 鴻志 氏 |
PorousQuarz®は,90%にも及ぶ空隙がお互いに連続し網の目状の構造を持ち,化学的に安全で安定な高純度シリカで作られているので,香りをはじめ様々な物質に対する高性能な徐放剤や担体になります。最近では,これを固定担体として触媒を高活性に担持する技術開発に成功し,非常に高性能な不均一系触媒が完成しました。香りや機能性製品の新たな展開をご一緒いただける企業様とのコラボレーション,オープンイノベーションを指向しています。 |
※産技研NEWS「ちえのわ」No.19(2019.3)より抜粋。