地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
  • アクセス
  • お問い合わせ
  • 075-326-6100
文字サイズ

研究成果

過酸化水素を消費する添加酵素を用いた漆の硬化条件の改善

研究論文 高分子系
担当者 高分子系チーム   池永 誠,橘 洋一
京都工芸繊維大学  北島 佐紀人
研究開始時期及び
終了時期
平成31年4月~令和2年3月
要旨  漆は植物より採取され,内在の酵素であるラッカーゼの作用によって硬化するため,硬化時に有機溶剤を必要としない極めて環境負荷の低い材料であり,その普及や反応機構に則った材料開発が望まれている。前報にて,塩基性条件にて漆の主成分であるウルシオールから過酸化水素が大量に生成することを確認した。また過酸化水素が,漆ラッカーゼの活性低下,及び漆の硬化時間の遅延を引き起こすことを確認した。本研究では,ウルシオールから生成する過酸化水素が,酵素の一種である西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼを添加することで,反応系中から十分に ・・・・(以下pdf参照)
まとめ  本研究では,ウルシオールから生成する過酸化水素の消費について添加酵素による検討を行った結果,HRPが有効であることを見出した。漆の硬化におけるHRPの役割は,ウルシオールの酸化ではなく,過酸化水素の消費による漆内在のラッカーゼの活性低下の抑制であることが示唆された。HRPの添加によって,通常の漆が硬化できない過酸化水素が大量に生成する塩基性条件での漆の硬化が実現された。塩基性物質であるスレートやモルタルは,建材として広く使用されており,今後,これらへの漆の用途拡大が期待される。
研究種別 研究論文
備考  

資料ダウンロード