京都市の地場産業である西陣織業界をはじめ、広く繊維に関わる産業全体を対象として様々な支援を行っています。織物を設計開発するための「製織技術」、繊維製品などのやわらかいものの物性や性能を知るための「評価技術」、各種ものづくりや解析などを高度化、効率化させるための「コンピュータ応用技術」を得意とし、更に最新の画像処理技術やIT、IoTを支えるセンシング技術等を取り入れながら多角的な研究開発、企業支援を進めています。製造工程が多岐に渡る和装製品の故障原因究明業務、半年間で西陣織製造工程について知識と技能を幅広く習得する研修事業など全国的に見て特色のある取組も行っております。また、織物製造に必要な一通りの機器を備えていますので、これらを用いた実際の試作開発やKES(布の風合い測定器)運用に関する知見も豊富です。さらに近年では、DX技術を利活用した生産過程のモニタリングや省力化支援などの取り組みを進めています。
和装の普及や販売促進、繊維製品への情報付与などを目的として、AR技術(※)の応用展開を図っています。
着物は、初めて触れる方々にとっては試着が難しく、着用状態を確認したり、洋装と比べて気軽に商品を比較しにくかったりする面があります。当研究所では、誰でもどのような商品でも気軽にデザインを確認できるよう、着物の3D着用イメージ表示システムを開発しています。表示する着物や帯の柄データは簡単に作成することができます。
また、AR試着システムについても非常に簡便なシステムとして実現しています。
これらの技術では、非接触や遠隔でも着物のデザインを確認したり、試着したりすることができますので、和装の製造、販売において時代に即した活用法を検討しています。
※:Augmented Realityの略語で、日本語では「拡張現実」と訳されます。現実世界に対してコンピュータ補助により情報を付与(拡張)して提示する技術です。