地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
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金属系チーム(チームマップ)

担当者

チーム特色・内容

金属疲労破面

金属系チームでは,鉄,アルミ,銅,チタンなどの金属材料について,またその金属材料を使用した製品や部品などについて,"なぜ壊れたのか?","なぜ変色したのか?","なぜ摩耗したのか?"そして,"それらの問題点を起こさないようにするには,どうすれば良いのか"などを調べ探究しています。

合金熔解の様子・アイロンの温度分布

その探究する手段として,例えば,強度を測定したり,表面状態を観察したり,腐食試験をしたり,振動試験をしたり,製品の温度分布測定をしたり,どのような成分が含まれているかを分析したりなど,様々な試験や分析を行い,探求し,問題の解決へと導いていきます。

探求は,信頼性があり品質の高い"ものづくり"につながっていくと同時に,新しい機能をもつ材料開発や斬新な新製品開発を創造する支援にもつながっています。 金属系チームは,京都市地域の機械金属を中心とした中小企業のみなさんに安全・安心なものづくりのために,これらの探求を通じて金属材料技術,分析技術の技術支援を行っています。

このような技術支援をさらにレベルアップするために,金属材料技術,分析技術の応用展開として,合金開発やナノ材料開発など,次のような研究テーマに取り組んでいます。

◎水素が金属材料に及ぼす効果に関する研究

近年, 水素燃料電池をはじめ水素の利用が進められています。また, 水素はある条件において金属材料の性質を変化させます。水素を効果的に活用するために, 金属材料と水素の関係を明らかにする研究を行っています。

合金熔解の様子

◎各種金属,無機材料中の水素分析技術

材料中の水素は,水素脆性と呼ばれる材料破壊を引き起こすと考えられており,材料中の微量水素量の分析を行っています。また,水素吸蔵合金などの水素の可逆反応性についての検討も行っています。

◎難溶解試料の分析前処理技術及びその分析技術の高度化

微量金属成分分析法は溶液試料を対象としており,工業材料の多くは固体試料のため,酸分解などの分析前処理が必要です。しかし,分解が難しい場合も多く,その分析前処理技術の検討を行っています。また,前処理を必要としない固体試料直接分析法(レーザーアブレーション法)の検討も合わせて行っています。

◎振動試験機を利用したバイク用ハンドルの防振対策の検討

バイク用ハンドルの握り手の部分での振動を抑制するために両端からシリコン樹脂をある一定量注入することでその効果を検証しています。

◎銅ナノ粒子作製技術に関する研究

ナノ粒子の写真

さまざまな大きさのナノ粒子を作り分けたり,どのようにして液体中で金属ナノ粒子を作るかについて研究しています。

◎高温高圧水熱反応技術

平津長石の水熱処理前後のSEM写真

適切な温度・圧力に調整した高温高圧水は,常温常圧には無い反応性や溶解性を持つため,金属,無機,有機の各種材料を高温高圧水下に置くと,新しい反応が起こり,有用な性質の発現が期待できます。この高温高圧水技術の可能性を求め,長石やケナフなどの天然材料に対して高温高圧水処理を施し,その溶解成分や反応主成分の評価を通して,機能材料の開発を目指しています。

用語説明

金属材料
鉄と非鉄金属(金,銀,銅,アルミニウムなど)に大別され,一般に光沢があり,電気をよく通す性質があり,建築用材料から機械装置・部品,身の回りの宝飾品に至るまで限りない用途があります。
分析技術
試料中の化学成分の種類や存在量を解析したり、解析のための目的成分を分離する技術です。当チームでは,金属材料を中心に,セラミックス、半導体,有機物,食品などに含まれる金属成分の解析を行っています。
ナノメートル
1ナノメートルとは,1メートルの10億分の1の長さ。髪の毛の"太さ"の,およそ1万分の1くらいのサイズです。また,地球の大きさを1メートルとすると,ナノメートルのサイズは,下図のようにピンポン玉くらいになります。
「ナノ」サイズのイメージ
赤外線サーモグラフィ
いろんなもの(人体も含む)から出ている赤外線は,温度によって放出されるエネルギーが違うので,そのエネルギー量を測定し温度の違いを異なる色に変換して表示する装置です。

最近のチームトピックス

  • 高品質自転車用ベル「白井ベル」の販売開始28012_siraiberu.png

 (有)りんよ工房で長年製造されている「砂張おりん」の伝統技術を凝縮した新たな製品開発を目指して,金属系・デザインチームとの共同で研究を進めてきたところ,音色が良く,持続時間の長い自転車用ベルの開発に至り,この度,(有)りんよ工房にて販売を開始しました。

◆平成23年度以降,以下の装置を導入し,企業のみなさんが新しい製品を開発したり,製品がいろんな環境で使われる際の信頼性を評価するなどのために役立てています。

・電子線マイクロアナライザー

(電子線を試料表面に照射した際に発生する特性X線を用いて試料表面の元素分析を行う装置。また,二次電子,反射電子により表面形状,凹凸情報,組成観察の測定も可能です。さらに,電子線は数μmまで絞ることができるので微小領域の分析を得意とします。)

・振動試験装置

(輸送時などの振動をシミュレートする。)

・イオンクロマトグラフ

(高速液体クロマトグラフの一種で,水溶液中の無機イオンの種類や量を測定する専用装置)

・X線CT装置

(X線を利用し,非破壊で内部の状況を解析・検査することができる装置)

・自動絶縁耐圧試験器

(電気製品などの絶縁性を評価する装置。漏電や感電が起こらないことを検査する。)

など

第18回関西表面技術フォーラム  優秀講演賞受賞

平成28年11月17日~18日に開催された「第18回関西表面技術フォーラム」において,優秀講演賞を受賞しました。

<タイトル>
「金属ナノ粒子の液相合成における析出挙動のその場測定およびナノ粒子の粒径分布制御」

<内容>
 液相合成による金属ナノ粒子の製造は,スケールメリット,コストメリット等の観点から広く注目されている技術です。しかし,さらなる実用化に向けて,ナノ粒子の粒径分布をどのように制御するか,また,そのメカニズムをいかにして理解するかは,極めて重要な検討課題です。
 今回賞をいただいた発表では,液相還元法により作製した銅ナノ粒子の粒径分布制御に関する検討結果について報告しましたが,本研究で得られた知見は,銅ナノ粒子に限らず,あらゆる金属ナノ粒子の制御技術の根幹になるものであると考えています。
 引き続き,金属ナノ材料の作製技術の高度化に向け,研究開発を進めたいと思います。

ご利用者向け

チームが担当する業務については「ご利用者向け」のページをご覧ください。

詳しくはこちら(ご利用者向け)