地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
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金属分野(業務紹介)

担当者

  • 南 秀明
    分析技術
    分析前処理技術
    高温高圧水熱反応技術
  • 丸岡 智樹
    金属材料技術
    水素評価技術
    合金設計技術
  • 塩見 昌平
    金属材料技術
    ナノ粒子作製技術
  • 山梨 眞生
    分析技術
  • 小濱 和之
    金属材料技術
    接合技術
    電子顕微鏡によ
    る微細組織観察

特色・内容

【概要】

京都地域の安全・安心なものづくりを支援するために、金属材料を中心に、その部品、製品の破損等の原因究明、それに伴う製造工程の改善、品質管理、及び新材料・製品開発に関する技術的支援を行っています。また、新しい知見や新しいモノを生み出し、公的研究機関として地域社会への成果還元を最大化できるよう、『持続可能な環境調和型社会の実現にむけた新規材料およびプロセス技術の研究開発』にも積極的に取り組んでいます。

【技術相談・依頼試験】

金属材料を使用した製品や部品あるいは金属材料そのものについて、「なぜ壊れたのか?」「なぜ変色したのか?」「なぜ摩耗したのか?」そして「それらの問題を起こさないようにするにはどうすれば良いのか」を調べるため、材料評価試験(強度試験)、表面状態の観察、腐食試験、振動試験、製品の温度分布測定など、様々な試験や分析を行い、課題の解決へと導いていきます。

金属分野の取組み

金属分野の技術相談・依頼試験への取組み


【研究開発】

近年では、「不良品を減らしたい」「今まで廃棄していたものを有効活用したい」「製品を長寿命化したい」「従来の製造プロセスを効率化したい」「有害元素を減らしたい」といったご相談・ご要望が多くなってきています。これらに共通するキーワードは「持続可能な環境調和型社会の実現」であると捉え、取り組むべき長期的な目標のひとつとして掲げています。その貢献に不可欠となる『材料開発及びプロセス技術の創造』に向け、水素分析技術及びその応用研究、高温使用可能なセラミックス低温接合プロセスの開発、金属ナノ粒子の合成・形態制御に関する研究、金属材料リユース技術の開発、難溶解試料の分析前処理技術及びその分析技術の高度化などの研究開発を実施しています。また、新型コロナウイルスとの共存社会の構築をはじめとする医療・衛生分野においても、材料・プロセス・分析の各方面から貢献できるよう、検討を進めています。

放電プラズマ焼結法による材料開発

放電プラズマ焼結(SPS)法による材料開発


液相還元法による金属ナノ材料の創製

液相還元法による金属ナノ材料の創製


用語説明

金属材料
金属は、その種類によって、「強い」「よく伸びる」「電気を流しやすい」「光沢があって美しい」などの様々な特徴を持っています。これらの特徴をいかし、建築材料や機械部品、電線や電力装置、宝飾品に至るまで、さまざまな用途に使われています。

材料評価試験(強度試験)
材料を引っ張ったり曲げたり押し潰したりして、変形のしかたや壊れるときの力から、強さを測定する試験です。

分析技術
試料に"どのような金属成分が含まれているか"、そして、"どのくらいの量含まれているのか"について解析する技術です。金属材料を中心に、セラミックス、半導体、有機物、食品などに含まれる金属成分の解析を行っています。

ナノ粒子
ナノとは、10億分の1を表す言葉で、1ナノメートルは髪の毛の"太さ"の10万分の1くらいの長さです。直径がおよそ100ナノメートルよりも小さいくらいの大きさの粒(つぶ)を"ナノ粒子"と呼びます。人間とナノ粒子の大きさの比率は、地球とテニスボールの大きさの比率と同じくらいです。つまり、人間がナノ粒子をあつかう技術は、宇宙から地球上のテニスボールをあつかうような、繊細な技術といえます。

最近のトピックス

  • 競争的資金の助成を受けて、研究開発を進めています。

    • 令和2年度研究成果展開事業研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)トライアウト
      「迅速、低コストな抗原・抗体検査のための高機能強磁性金属ナノ材料の開発」採択
    • 令和3年度科学研究費助成事業、「基盤研究(C)」採択
    • 令和3年度科学研究費助成事業、「若手研究」2件採択

  • Key Scientific Article(主要科学論文)に選出されました。

  • Nanotechnology誌に掲載された金属ナノワイヤーの形態制御に関する研究成果が、カナダのリサーチ会社Advances in Engineering (AIE)社のKey Scientific Articleに選出されました。
     AIE社は、主な学術雑誌から実用的、応用的観点から重要な基礎研究を抜き出し、世界の民間企業にその研究成果の概要をアナウンスし、コンサルティングやマッチングを行う会社です。
     今回掲載された論文は、液相還元法によるニッケルナノワイヤーの合成において外部磁場がナノワイヤー形成に及ぼす影響について調べ、ナノワイヤーの形成メカニズムを明らかにしたものです。
     添加する物質の種類や量を変化させず、外部磁場の強度のみを制御することで、さまざまな形態のナノワイヤー不織布を合成できることを示しました。また、本研究により、ナノワイヤーの微視的な構造が、不織布全体の巨視的な性状に影響を及ぼしていることが明らかになりました。
     
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  • 金属材料の長寿命化に寄与する除膜技術を共同開発しました。

  • 佐々木化学薬品(株)との共同研究において、切削工具・金型などの金属材料上に成膜される硬質皮膜の除膜液を開発し、同社から商品化いたしました。
     今回、共同開発した除膜液は市販品と比較し、硬質皮膜の除膜に要する時間を12分の1に短縮するものであり、金属材料のリユースに大きく寄与するものです。
     これからも金属材料のリユース技術開発を行い、環境負荷低減に貢献していきます。
    (リンク:http://tc-kyoto.or.jp/info/news/post-277.html)


  • 第83回日本熱処理技術協会講演大会(平成29年春季)において、研究発表奨励賞(優秀賞)を受賞しました。

  • <発表タイトル>
     放電プラズマ焼結法によるTi-TiH2焼結体の作製
     <内容>
     本研究は、関西大学凝固プロセス研究室との共同研究で行った成果であり、内容はグロー放電発光分析法における水素分析技術の確立を目的として、水素吸蔵法や粉末冶金法を利用した水素分析用標準試料の開発を目指したものです。詳細は、弊所研究報告No.7をご参照ください。


  • 第18回関西表面技術フォーラム  優秀講演賞受賞

  • 平成28年11月17日~18日に開催された「第18回関西表面技術フォーラム」において、優秀講演賞を受賞しました。

    <タイトル>
     「金属ナノ粒子の液相合成における析出挙動のその場測定およびナノ粒子の粒径分布制御」

    <内容>
     液相合成による金属ナノ粒子の製造は、スケールメリット、コストメリット等の観点から広く注目されている技術です。しかし、さらなる実用化に向けて、ナノ粒子の粒径分布をどのように制御するか、また、そのメカニズムをいかにして理解するかは、極めて重要な検討課題です。
     今回賞をいただいた発表では、液相還元法により作製した銅ナノ粒子の粒径分布制御に関する検討結果について報告しましたが、本研究で得られた知見は、銅ナノ粒子に限らず、あらゆる金属ナノ粒子の制御技術の根幹になるものであると考えています。
     引き続き、金属ナノ材料の作製技術の高度化に向け、研究開発を進めたいと思います。

ご利用者向け

担当する業務については「ご利用者向け」のページをご覧ください。

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