地方独立行政法人 京都市産業技術研究所
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ゼロエミッションデジタル捺染システムの開発

平成25年度日本繊維機械学会賞「技術賞」受賞
ゼロエミッションデジタル捺染システムの開発

 近年のデジタル捺染はインクジェット方式が主流ですが,当研究所では,それに替わる新方式として世界初の電子写真方式を応用したデジタル捺染システムの研究開発に取り組んできました。
 電子写真方式は静電気力を利用して荷電粒子(トナー)を感光体に付着させ,現像した可視画像を布帛にプリントする仕組みです。大きな特徴は,色材がインク液滴ではなく,新開発の粉体染料トナーであるため,染料液による滲みが無く,高精細なデザイン表現が可能となります。また,インクジェット方式で必要だった滲み防止の前処理が不要になり,様々な要求に即応したものづくりが可能となります。さらに,新方式のプリントスピードはインクジェット方式と比べると非常に高速です。これらにより,生産コストと環境負荷を低減させることが可能な革新的な生産技術であると考えています。(図)
 現在,電子写真方式のデジタル捺染システムは,長瀬産業株式会社との共同開発により,その実用機をDENATEXRブランドとして商品化を展開しています。このシステムは,電子写真方式を応用して転写紙にプリントし,その転写紙と布帛を合わせて熱転写機でプレスすることにより,気化した染料でポリエステル繊維を染色します。水を全く使用しないゼロエミッションシステムです。
 今後,この商品化しているシステムに続き,直接,布帛にプリントして染色する電子写真方式のダイレクト捺染の商品化を計画しています。本システムは,アパレル業界などの布帛を対象とした業界での活用が期待できるのはもちろん,デジタル化されたデザインを,希望どおりのカラーバリエーションでプリントすることも可能であることから,アパレル分野以外の産業資材分野などへの応用展開が期待されています。
 なお,本システムは,一般社団法人日本繊維機械学会から,創意があり技術的に高い価値を有する研究成果と認められ,平成25年度学会技術賞を受賞しました。

染料トナーと染料インクの滲みの違いの説明図 図 染料トナーと染料インクの滲みの違い

受賞盾の写真 写真 受賞盾
ゼロエミッションデジタル捺染システムの写真 写真 ゼロエミッションデジタル捺染システム
(加工技術グループ 早水 督)
(繊維系材料チーム 廣澤 覚)